人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2013年11月のお奨め本

2013年11月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・暇と退屈の倫理学(國分 功一郎)

暇と退屈について様々な視点から論じた意欲作です。
パスカルやラッセルから、ガルブレイス、ボードリヤール、ルソー、ハイデッガーなどの様々な学者を紐解きながら著者の退屈論を展開しています。

非常にわかりやすいのでさくさく読めます。
哲学や社会学に興味のない人でも全く問題なく読めるでしょう。

特に感心したのはハイデッガーの退屈論の解説とそこからの展開です。
ハイデッガーは退屈を3つの形式に分けています。
1、何かに退屈している
結論の出ない会議のように時間をそれによって止められているとき
2、何かに際して退屈している
何かをしていても退屈を感じるが、実はその何か自体が気晴らしであるため退屈が内部から出てくるとき
3、何となく退屈している
心の奥底からふと湧き出てくる退屈

3の状態から決断して退屈から逃れるとき、日常生活の奴隷になるのが1の形式で、うまく気晴らしで退屈をやり過ごすのが2の形式です。
ナショナリズムのような全てをささげる奴隷というありかたもあるでしょう。
こうなると退屈はしていません。
著者は2の形式を人間らしいと考えます。
2では退屈と気晴らしが混じり合い、1や3には見られない安定や余裕がみられます。

アーリーリタイアとは1の形式から逃れて、2の形式の世界で生きるということではないかと思います。
何かの作業を強制されるときに伴う退屈は辛いですが、暇を持て余してだらだらするのは楽しいと思える人がリタイアするのです。

ハイデッガーの解説のあたりは秀逸でしたが、一方で全体的に議論の展開が浅いようにも思えます。
根拠薄弱に思える部分が多く、結論部分もどうにも納得がいきません。
優秀な学生が様々な思想家の考えを調べてうまくレポートにまとめたような印象を持って読んでいました。
それでも暇と退屈論を一つの体系としてまとめあげようとしたこの意欲作は読むべきだと思います。
あまり哲学などに興味ない人はぼんやりとしたものを捉えてはっきりさせていくことの面白さを感じ取ることができると思います。
本書からより議論を深めていくことを著者には期待したいです。




・経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (猪木 武徳 )

社会経済で重要なトピックについて解説しています。
国債、中央銀行、インフレ、不確実性など、経済活動の仕組で重要な部分を取り上げています。
どれもわかりやすいのですが、あまりつながりはないので一冊のまとまった本というよりは経済学事典の詳しい版のようなイメージです。

タイトルの経済学に何ができるかを期待して読んでみたのですが、これについては全くの期待外れでした。
ほとんど何も言っていません。
理論と実際の関係について少し触れている程度です。

しかしトピックそれぞれの解説はコンパクトでわかりやすくまとまっています。
高校生やこれから経済について学びたい人が最初に読むのにとてもよい本だと思います。



・月の扉 (石持浅海)

沖縄で飛行機がハイジャックされます。
犯人は3人グループで彼らが師匠と呼ぶ人物を拘留されている警察署から連れてくることを要求します。
しかし飛行機内でトイレで乗客の死体が発見されてしまいます。
誰が犯人なのか、狭い飛行機内での犯人探しが始まります。

本格系推理でよくある、狭い空間で制約条件が課せられた中での推理です。
私はこの手の本格推理が大好きです。
様々な疑問を考えられる仮説を立て検証していく作業を繰り返して、最後に疑問が解けて犯人にたどり着きます。
このプロセスが面白いのです。

ただ本書には致命的な欠陥があります。
それはすぐに犯人の見当がついてしまうことです。
殺害方法などは分からなくても犯人が分かってしまうのは推理小説としてはまずいです。
舞台設定やプロセスの面白さを評価しておすすめとします。

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[ 2013/12/23 20:30 ] 今月のお奨め本 | TB(0) | CM(0)
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