人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

サンクコスト

経済学などでよく使われる言葉にサンクコスト(埋没費用)というものがあります。
ある時点までに費やした時間や費用などの回収できないものを言います。

例えばダムの建設で1000億円使っており、後100億かけると完成するとします。
この時建設を続行するかどうかの判断は過去に費やした1000億円は無視しなければなりません。
完成させることで100億以上の価値を産み出せるかどうかで判断します。
しかし実際の政策判断では回収不可能な1000億に判断が左右されがちです。
様々な利権もあるのでしょうが、1000億使ってしまった事業を停止すること自体の責任が問われることも大きいからです。

私はいったん本を読み始めるとどれだけつまらなくても最後まで読み続けます。
その本を買ったり、わざわざ借りてきたという事実がせっかくだから最後まで読まなければと思ってしまうのです。
映画やドラマもそうです。
せっかく時間を費やしてここまで見たのだからと思い、つまならいなあと思いながら最後まで見てしまいます。
これもサンクコストにとらわれているということです。
もっと深読みをすると、つまらない時間を過ごしつつも、他のもっと面白そうな本に移ることができない非合理的な自分が好きだったりすると思いつつ時間を過ごしているという部分もあり、それ自体が面白い本を読むよりも楽しい時間でもあったり…。

私が一番のサンクコストだと思うのは海外へ行った時の美術館、博物館、遺跡巡りです。
はっきり言って普段の私は美術などに全く興味がありません。
せいぜい「美の巨人達」をたまに見ているだけです。
背後にあるストーリーなどは興味を感じられますが、美術そのものについてはさっぱりわかりません。

しかし、海外に行くと美術館などに行ったというアリバイ作りのために訪れてしまいます。
それだけでなく隅から隅まで見てしまうのです。
その国を代表する美術館や博物館はとてつもなく広いので丸1日はかかります。
見てもよくわからないものを1日かけて見て回ることほど辛い作業はありません。
本当にへとへとになります。

こういう時ツアーは羨ましいです。
有名どころだけしかみないので長くても2時間ぐらいではないでしょうか。
私はオープンから下手するとクローズまで9時間ぐらいいることもあります。
日本からこんなところまで何やってんだと自問してしまいます。
飛行機に乗ってここまで来たし、同じ入場料を払ったのだったら全部見なければと思ってしまうのです。
外のカフェでゆっくりしているほうがどれだけ充実した時間を過ごせることか。
そして得られるものといえば、全部回ったという自己満足のみです。
訪れたというネタ話だけであれば有名な絵だけを見ればよいものなのに。

遺跡もそうです。
例えばアンコールワットはツアーであれば2日か3日だと思います。
それもかなり余裕をもってまわります。
しかし私の場合はせっかくだからと言って1週間以上をかけてすべてを見て回ってしまいました。
はっきり言ってそれほど興味もないので飽きてしまい、3日目ぐらいから義務感だけで仕事のように回っていました。

私の友人のバックパッカーは世界中を回っているのに一度も遺跡や美術館に入ったことがありません。
興味ないから訪れないと彼は言います。
ただひたすら町を歩いて、その辺の人と話をしているだけです。
私も彼のように自分の興味だけに従って行動できるようになりたいものです。

ちなみにロンドンのナショナルギャラリー版の「岩窟の聖母」だけは感動しました。
あとは「ゲルニカ」はあれほど大きい絵とは思っていなかったので、その迫力に圧倒されました。
他は教科書などで見た絵を実物で見るという作業をしていただけのように思えます。

私の友人に医学部の4年の時にいきなりコンピュータにはまってしまい大学を中退してソフトウェア会社に就職してしまった人がいます。
当然親や先生は大反対したそうです。
受験勉強して医学部に合格してさらにそこから4年間勉強してきたわけです。
その時の彼の決断には私もびっくりしましたし、よくそれまでの努力を無にすることができるなあと思ったものです。

人はすぐにせっかく頑張ってきたのにとか、費用や時間を費やしたのになどと考えがちです。
せっかく30年以上頑張ってきたのだから定年まで仕事を頑張るという発想もそうではないでしょうか。
サンクコストはあくまで過去のことであり現在とは全く関係がありません。
しかし現在と予想される未来だけを判断基準にすることがいかに難しいことか。
将来を約束された医者の道ではなく、自分が好きになったコンピュータ業界に転身する彼の決断力は大したものです。
ちなみに彼はそのあとアメリカと日本のベンチャーキャピタルから出資を受けて会社を創業し、現在は100名ぐらいの会社を経営しています。

私も40歳になったのだからそろそろ過去なんかにとらわれないで迷わずに決断していく人生を送りたいと思います。
でも考えてみるとリタイアするとそもそも何も頑張ることがないので、サンクコストなぞ発生しなさそうです。
大きな決断をする機会もなさそうです。
せいぜい面白くない本や映画は途中でやめるということぐらいでしょうか。
他には投資の時の心構えですね。
私の積み上がった塩漬け株をどうするか…。
関連記事


にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

[ 2013/12/07 16:30 ] 人生 | TB(0) | CM(2)
考えさせられますね
私もとらわれの排除に邁進していますが
ここまでやってきたのにっていう感情が
邪魔をすることがよくありますし
まさに今直面している問題です
良い記事をありがとうございます
[ 2013/12/07 21:52 ] [ 編集 ]
>消費しないピノキオさん

人間だれしも自分の労力を否定したくない部分はありますもんね。
拘ってしまうのはそれだけ頑張ってきたということでもあるでしょうし。

でも本質は現在と未来でしょうから過去を引きずって無駄にしてもしょうがないですしね。
個人の人生だけでなく歴史や政策なども同じだと思います。
[ 2013/12/08 13:44 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

ブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

相互リンクとコメントを頂いた方