人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

進んで低賃金で働く

以前にバンコクでコールセンターの仕事があると記事に書きました。
フルタイムでの仕事はきついかもしれないが、週3日のワーキングホリデーが可能な会社もありよいのではという内容でした。

その会社が新しい募集職種としてSNSや掲示板などのサイト監視の仕事を追加しています。
こちらはフルタイムの正社員のみの募集のようです。
3交代制で給料は9万円ほどです。

企業が海外に生産拠点を作るときの第一の目的は土地代や人件費などの生産に関わる費用が安いことです。
人件費が安いのはそこで生活する人々の生活水準が低いためです。
企業は安く生産物を作り、進出先にとっては雇用が生まれるので基本的には両者にメリットがあります。
もちろん日本の工場などが減るので日本にとって雇用が減るデメリットがあります。

しかし海外で企業活動を行うにしても現地の人ではなく日本人のほうがよい仕事があります。
海外進出が始まった頃は現地に日本人社員が赴任していました。
派遣する日本人社員は給与水準が高いので人数をあまり増やせません。
そうすると日本人を現地採用して現地の給与水準に日本人価格を上乗せすればいいのではないかとなります。
結婚して現地で住んでいる人や留学生にとってはメリットがあったでしょう。

そしてICTの発展により、コールセンターやBPOなどの仕事も海外で行うことができるようになりました。
日本人でないと難しい仕事、高度な日本語能力や現地と日本を調整するような仕事が増えてきました。
そうなってくると日本から日本人労働者を呼び寄せないと労働需要が満たせなくなります。
そこで人材系の会社はこぞって海外転職支援を手がけるようになりました。
日本の仕事が減ってきているので仕事のない若者は海外に目を向け始めています。
「海外でキャリアを積む」、「現地で良い生活ができる」など夢のあるキャッチフレーズは海外で働くことの抵抗感を少なくしているのでしょう。

考えてみるとこれは資本主義社会の厳しい論理です。
生活水準の低い国で現地の人を雇い安い人件費で働いてもらうのではなく、日本人に生活水準の低い国に来てもらうという発想だからです。
現地の人よりは高い給料を払うといってもキャリア形成に繋がる仕事ができるのは一握りですし、日本に帰国してからの生活をどうするのかという問題もあります。
国民年金を払っている人はどれだけいるのでしょうか。
それでも日本で仕事がなかったり、環境を変えたかったりなどで自ら選択して中国やタイへ渡航する人は増えています。

一方日本でもクラウドでの仕事がかなり普及してきています。
ランサーズやクラウドワークスをみてみるとかなりの案件があるようです。
デザインやシステム開発、事務処理などが多いようですが、これからも仕事の種類は増えていくでしょう。
そしてこれらの報酬はどれも非常に安いです。
ロゴ作成が5万円程度とは昔を考えるとびっくりするような価格です。
今は日本人だけのようですが、デザインのような海外に頼みやすい仕事はおそらく外国人がすることになるでしょう。

なぜ低価格が可能なのかと言うと報酬が低くても仕事をしたい人がいるからです。
専業主婦でデザインの知識があるので空いた時間に報酬に関係なく仕事をしたいという人がいるでしょう。
ニートでも人と接することなく仕事ができるならネット上で安い報酬で仕事をするかもしれません。
私もリタイア後であれば時給300円ぐらいでも週に10時間程度ならしてみたいなと思います。
このように少しだけ仕事をしたいが、アルバイトでも時間の関係で難しい人という潜在的な労働供給者はかなりいるはずです。
また会社員だけど副業をしたい人もいるでしょうし、そもそも仕事がなくて少しでも仕事したい人もいるでしょう。
潜在的な労働力が顕在化すると、当然労働供給が増えた分報酬に低下圧力が加わります。
労働者が進んで低賃金の労働に従事しているのです。

クラウドでの仕事を海外で暮らしながら請け負う人も実際に増えてきているそうです。
コールセンターのような会社の業務としてだけでなく、個人でも可能になったのです。
翻訳やライター、デザインなどが多いようですが、職種も増えていくことでしょう。
海外で暮らしたいという人もいるでしょうし、報酬が低いなら生活費の少ない国で暮らそうという人もいるでしょう。

私が個人的に面白そうだと思うのは家庭教師やFP、ビルなどの監視業務などです。
時給500円ぐらいで海外からWEBで家庭教師をするのです、フィリピンなどからの英語の授業の家庭教師版です。
FPも低価格にして低所得家庭でも気軽に資産運用や家計について相談を受けられるようにします。
人に何かを教える仕事はほとんどの種類で可能でしょう。
また、ビルや介護施設などの警備関連は映像や音声をネットで監視する仕組みを作り海外から監視すれば面白いビジネスになりそうです。
ビデオ監視をしているビルの数だけ潜在的な顧客がいるわけですから。
しかしこれは日本人は数人だけで他は現地の人で十分かもしれません。
セコムあたりはこのようなことをやっていないのでしょうか。

グローバル化では人件費の安い国の労働者が労働の供給者となり、人件費の高い国の労働者が人件費の安い国へと移動することさえも増えてきました。
ICTの発展は今まで条件の関係で働くのが難しかった人たちの労働参加を促しつつあります。
先進国がどの国もデフレ傾向にあるのは当然のことであり、マネーを増やせばよいという問題ではありません。

政府が正規雇用を増やせと言っても、賃金を上げろと言っても海外であろうとクラウドであろうと低い報酬で働こうとする人たちは増えてくるのではないでしょうか。
一方で介護などの肉体労働はおそらく需要が多く供給が少ないままでしょう。
海外やクラウドの供給が当面の間難しい肉体労働の賃金は上がるのかもしれません。
ただ全体としての賃金水準が低下する中ではそれほどの上昇は期待しにくいのではないでしょうか。
私たちにできるのは現実の経済構造にあわせた生活を構築するのみです。
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[ 2013/09/22 15:56 ] 社会 | TB(0) | CM(4)
肉体労働も、移民にかかる規制があるから供給過小になるだけであって(介護は言語の壁もあるかもしれませんが)、今後どうなるかわかりませんね。

知的単純労働の方が壁が取り払われるスピードが早いというだけのような気がします。悪いことじゃないとは思いますが、これからの人たちは先進国の既得権益に乗っかれなくてたいへんだなあと少し申し訳ないです。
[ 2013/09/23 07:55 ] [ 編集 ]
yamyas
厳しい仕事より低賃金でも気軽とか楽しい方がいい人が増えてきて、そういう仕事に集中してどんどん安くなるんでしょうね。
[ 2013/09/23 07:59 ] [ 編集 ]
>成為さん

>知的単純労働の方が壁が取り払われるスピードが早い

知的単純労働は簡単に国境を簡単に超えてしまいますからね。
アメリカの弁護士や会計士の仕事がインドにアウトソーシングされていると聞くと凄まじいなと思います。

>これからの人たちは先進国の既得権益に乗っかれなくてたいへんだなあと少し申し訳ないです。

私も申し訳ないと感じています。
なので上の世代にはあまり税金を使って欲しくないですが、子供のためにきちんとした環境で育てるための税金は使って欲しいと思っています。
[ 2013/09/24 00:07 ] [ 編集 ]
>yamyasさん

>厳しい仕事より低賃金でも気軽とか楽しい方がいい人が増えてきて、そういう仕事に集中してどんどん安くなるんでしょうね。

世の中には8万ぐらいでも充実した生活を送っている人がたくさんいますからね。
そんな人であれば神経をすり減らすよりは気軽で低賃金の仕事を選ぶのでしょうね。
やはりそういう人は増えてきているのでしょうかね。
[ 2013/09/24 00:10 ] [ 編集 ]
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