人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2013年8月のお奨め本

2013年8月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・コルナイ・ヤーノシュ自伝―思索する力を得て(コルナイ ヤーノシュ)

ハンガリーの経済学者で元ハーバード大学教授のコルナイ・ヤーノシュの自伝。
「ソフトな予算制約」は彼の言葉で、社会主義経済システムや数理経済学の研究に貢献した世界的な経済学者です。
著者はユダヤ人としてハンガリーに生まれ、大戦後は熱心な共産党員として新聞記者に従事し、その後共産党およびマルクス主義と決別して社会主義経済の専門家として世界的な学者になります。
マルクス主義と決別しながらも亡命しないことを決意し、ハンガリーの経済研究を基盤に学者としての名声を勝ち得ていく姿には感銘を受けます。

自伝と言っても経済学者の自伝なので主な内容は研究生活です。
研究初期の頃は西側の経済学の吸収につとめており、そこから経済学者としての研究生活の中で研究テーマや手法を深めていく思考の奇跡をたどることが出来ます。
著者がその時々の関心や主要著作を書く過程、著作への反響にはどう感じていたのかを知ることは非常に面白く、このような経緯を書いたような本は少ないのではないでしょうか。
また、最終的にはハーバード大学の教授になるまでの経済学者としてのキャリアの重ね方も興味深いです。

ハーバード大学の教授の選考過程についての記述があるのですが、その厳しさにはたまげました。
どこかの国のようにコネであったり、少しばかり変わったテーマで著書を出したりといったことで教授になれる国とはレベルが違います。
アメリカの凄さがあらわれているところだと思います。

経済学に興味がある人には必読の良書なのでぜひ読んで欲しいです。




・ナボコフの文学講義 (ウラジーミル ナボコフ)

「ロリータ」で世界的に有名になったナボコフが大学で講義していた頃の講義録。
「マンスフィールド荘園」、「荒涼館」、「ボヴァリー夫人」、「ジキル博士とハイド氏の不思議な事件」、「スワンの家のほうへ」、「変身」、「ユリシーズ」について講義しています。

面白い!

同じ人間でも世界を深く見ることができる人がいます。
そのような人は文学をどのように読んでいるのかを教えてくれる講義です。
文学なんて退屈でつまらないものと思う人は多いですが、それは文学を読む力がないだけです。
そんな人でも文学って面白い、このように読めばこんなに深いのかと教えてくれるのがナボコフの講義です。

著者は文学とは一つの世界を創造、構築した芸術であり、その構造や文体が何より重要であると述べます。
現実の社会とのつながりなどは全く必要なく、文学は作品の中だけで完結しているとも何度も強調しています。
作品の細部を丹念に読み込み、一つの場面がどのような役割を果たすのかを理解し、その場面にふさわしい描写や文体を考えていきます。
実際に著者の講義についていくと作品が構築する世界の美しさに触れることができるでしょう。
著者の時々の辛口コメントににやりとしながら芸術の楽しみ方を教えてくれる素晴らしい講義です。

文学に興味がない人もきっと楽しめる講義だと思います。




ミステリは今回全ていまいちだったので紹介なしです。
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[ 2013/09/15 12:24 ] 今月のお奨め本 | TB(0) | CM(0)
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