人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2013年7月のお奨め本

2013年7月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・ワイルド・ソウル(垣根 涼介)

戦後、日本政府の募集でブラジルに渡った移民たち。
しかし、割り当てられた土地はとても農業ができるようなところではなく、移民たちは極貧の生活を強いられ絶望を抱え死んでいきます。
夢のような生活と騙し、移民の窮状に対して何の対策もしなかった日本政府と外務省。
時を経て、彼らへの復讐計画が始まります。

久しぶりに私の好きなタイプのストーリーでがつんときた小説です。
ハードボイルドな要素、次の展開が待ちきれなくなる感覚、特に下巻の躍動感溢れる展開、重苦しい話を中和する陽気な主人公。
面白いです。これだけ筆力のある作家に出会ったのは久しぶりのように思えます。

日本政府への復讐という無茶な計画の結末をどうするのかと思っていましたが、納得できる後味の良いものでした。
重いテーマでありながらエンタメ小説としての面白さを存分に発揮している一級の作品です。




・寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁 (島田 荘司)

マンションの浴室で顔の皮をはがされた若い女の死体が発見されます。
しかし、死亡推定時刻に被害者は寝台特急の「はやぶさ」に乗車していることが明らかになります。
「はやぶさ」に乗車していた人物と被害者は本当に同一人物なのか。
吉敷竹史シリーズの第一弾です。

島田荘司が書くと電車ミステリもこんなに面白くなるのかとうならされます。
どうしても御手洗シリーズのド派手さ、怪奇性の印象が強すぎて、島田がこのようなベーシックなミステリを書く必要があるのかと思う人も多いと思います。
しかし、島田が書くとベーシックなミステリでもトリックが練りに練られて、その鮮やかさには感嘆してしまいます。
最後の展開は不満だったのですが、島田荘司やはり恐るべしと思わされる作品です。




・社会人類学入門―異民族の世界(ジョイ・ヘンドリー)

イギリス人の女性学者による人類学の入門書。
贈与、呪術、儀礼、宗教、法、家族など人類学のキーワードとその事例が要領よくコンパクトにまとまっています。
著者は日本でのフィールドワークが豊富なため、日本の事例が多く取り上げられているので日本人には興味深いでしょう。
しかし、この本では人類学の面白さはあまり伝わらないかもしれません。
やはり人類学の面白さは個々の研究事例を読むのが一番よく分かると思います。

人類学はどういう視点から社会を見るのかということは概観できると思いますし、脚注、訳注がためになり、良い読書案内にもなる良書だと思います。

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[ 2013/08/18 12:40 ] 今月のお奨め本 | TB(0) | CM(0)
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