人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2013年4月のお奨め本

2013年4月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

あまり良い本がなかったので今回は2冊

・ロンド(柄澤 齊)

実際に見た者は数えるほどしかいなく、現在は所在不明の絵画「ロンド」。
写真も残っておらず、実際に見たものによる批評が残っているだけです。
ある日、美術館の学芸員に「ロンド」という個展の案内が届きます。
ここからロンドの魔性に引きずり込まれた人を翻弄する名画に見立てた連続殺人事件が始まります。

テーマが絵画なので美術評論のような文章が詰まっています。
美術に関わる人たち、作家や画商、評論家、学芸員などの世界なども詳細に描かれています。
ミステリーの要素も十分楽しめますが、美術にとりつかれた人たちの世界を楽しむような作品だと思います。

よくここまで絵画についての濃密な解説を書けるなと思っていたら、著者は有名な版画家だそうです。
美術評論などを読むのが苦にならない人には濃密な世界を楽しめますが、そうでない人には厳しいかもしれません。




・神を哲学した中世: ヨーロッパ精神の源流 (八木雄二)

ヨーロッパ中世の神学について解説しています。
地中海世界からイギリス、フランスへのキリスト教の普及、ギリシア哲学からの継承についての簡単な解説と
神の存在証明、自由意志、唯名論と実在論などについての個々のテーマが述べられています。

中世神学の発生と発展過程を体系的に述べているわけではありません。
なのである程度の基礎知識がないとかなり読みにくいと思います。

体系的にまとめた本はすでに著者は出版しているので、この本では中世神学の思考方法を書きたかったのだと思います。
そういう風に読むとかなり面白いです。

特に実在論の世界に生きる人々の考え方を述べている部分はとても興味深いです。
私は中世というよく分からない世界を理解しようとするときのキーワードは実在論だと思っています。
実在論の世界に生きるとどういう発想になるのかを理解できると他のテーマについても実感として分かるようになります。
近代以降の思考方法では神の存在証明なんて、「そんなのは証明とは言えない!」となるでしょう。
しかし、実在論の世界で生きると証明になってしまうのです。
中世を勉強すると、どんなものであれ異質なものに出会ったときにはそれを成り立たせている世界の思考方法を理解することが大切だと痛感させられます。

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[ 2013/05/26 11:13 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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