人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2013年2月のお奨め本

2013年2月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・症例A (多島斗志之)

精神科医である榊は新しく赴任した精神病院で前任者から亜左美という少女を引き継ぐことになります。
亜左美の言動に翻弄される榊は前任者の統合失調症という診断に疑問を持ち彼女の病気を調べていくうちに様々な疑問や真実に直面することになります。

いわゆるサイコものではなく、もう少しリアリティを持った小説です。
小説を面白くするための要素をかなり盛り込んでいますが、精神病の診断と治療を巡る話がメインのテーマです。
実際の精神病の治療の知識を十分に消化して書かれているようで読み応えがあります。

また、前任の精神科医の自殺や博物館の贋作の疑惑などの話などを絡めるなどミステリの要素もかなり入っており、どうなるのかと期待が高まっていきます。

しかし、最後はかなり消化不良な結末でした。
読み進めていくうちに残りの分量で結末にたどり着くのかと心配していたらあっさりと終わってしまいました。
精神病に関する解説的な部分が面白く、ストーリーに起伏もあり、かなり期待が高まっていただけにかなり残念な気分になってしまいます。
それでも精神科医が患者を診断していくという話だけでも十分面白いです。





・ハサミ男 (殊能 将之)

美少女を殺害し、ハサミを突き立てる連続猟奇殺人事件の犯人、通称ハサミ男。
しかし3人目の殺人を実行しようとしたときに別の何者かが狙っていた美少女を殺害してしまいます。
警察とハサミ男の視点が入れ替わり警察はハサミ男をハサミ男はもう一人の殺人犯を追っていきます。

ハサミ男のキャラクタが良く愛着が湧いてくるほどです。
話の進め方も終わり方も良いのですが、あるトリックにインパクトを頼っていることが少し残念です。
変化球ではなく直球部分をもっと練りこんで欲しいタイプの作品です。




・生と権力の哲学 (檜垣 立哉)

フーコーの権力論の入門書です。
他のフーコー入門書とそれほど変わらないですが、ドゥルーズ、アガンベン、ネグリなどの議論との関連も解説してくれています。
特に私はネグリの帝国論の位置づけ方がよく分かっていないので、ネグリへの言及があるのは嬉しいです。

それにしても権力論が語られるときにいつも気になっているのですが、権力への抵抗に固執しすぎではないでしょうか。
どのような権力システムが望ましいかを議論するのなら理解できるのですが、常に敵としての権力を見立てて抵抗を語るのはどうにも非主体的で自らの責任を問うことのない姿勢のように思えます。
人間なんて誰でも他者に責任を押し付けますし、強力な敵に対抗するヒロイックな自分に酔いますが、学問を語る人間がそれをやってはいけないと思うんですけどね。

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[ 2013/03/11 00:32 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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