人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

通貨発行益

経済用語の基本的な意味がきちんと理解されることはあまりありません。
おそらく安倍さんも理解できていないか意図的に曲解しているのでしょう。
私は単に理解できていないのではないかと思っていますが。

例えばデフレ=不況と考えている人は多いようです。
デフレ脱却なんて言葉は本来おかしな言葉でありミスリーディングです。
あくまで不況のときにデフレになりやすいだけですし、当然のことながらインフレ=好況でもありません。
インフレやデフレは本来中立的な言葉です。

では好況や不況とはどういう状態を指すのかというとこれは難しいです。
単純に雇用やGDPの拡大期を好況、その逆を不況とすればよいのでしょうか。
しかし私はその国の潜在的な実力、潜在成長率と合わせて考えることが大事だと思っています。
例えばグローバル化によって競争が激しくなったり、エネルギーコストの上昇などでそもそも潜在成長率が下がったために不況に見えているのかもしれません。
不況に見えても実は言うと潜在成長率を超えていることもあるかもしれません。
この場合は好況のときに行われる経済政策はあまり効果があるとは思えません。
あくまで潜在成長率を上げる方策を考える必要があります。
市場や国民の心理に働きかけるような金融政策も否定はしませんが、往々にして効果が続かなかったり副作用が出ます。

金融緩和を考えるときにはマネタリーベースとマネーストックを見ないといけないですが、おそらく日銀が国債を市中から買い入れてその対価としてのマネーが市中に出回ると言う程度のイメージしかない人が多いことでしょう。

生産性を上げると供給力が上昇しギャップが拡大して、雇用が減るからダメだと言うような驚くような話も時々見かけます。
じゃあ、みんなで仕事をサボればいいのでしょうか。

さて通貨発行益という言葉があります。
これは日銀がお札を刷って国債を買い入れたときの利息収入です。
銀行券はバランスシート上は負債となりますが銀行券には利息が付かないので、国債の利息収入が全て利益となり、この一部が国庫納付金となるわけです。

エコノミストや政治家が通貨発行益を銀行券の額面から印刷代等を引いた金額を通貨発行益と述べていることがあります。
この通貨発行益で公共事業などを実施して経済を拡大すればよいと言うのです。
確かに昔の国家では財政難のために今でいう国債のような担保なしにお金を刷っていたことがあります。
ただし、当然のことながら通貨の信頼が損なわれインフレを起こして経済に相当の悪影響を及ぼします。
国家にとっても最初はうまく行くかもしれませんが、すぐにインフレになり使えない技となります。
諸費用を除いた額面全てが通貨発行益だという人も現代の通貨発行益の定義を理解した上で述べているのかもしれませんが。

日銀の国債の直接引き受けが禁止されているのは、額面全てを通貨発行益とするようなやり方と変わらなくなってくるのを防ぐためです。
インフレになれば引き締めればいいというような人もいますが、そんな簡単にインフレがコントロールできるのならそもそも日銀など財務省の部局にしてしまえばよいのです。
日銀が独立している必要はありません。
全世界から不況がなくなるという人類の悲願が達成されることでしょう。

経済とはあくまでモノやサービスの消費の拡大を伴って初めて成長するものです。
金融政策は消費を平準化させたり、金融システムの安定のためにあるものです。
市場との心理合戦は必要ですし、それによる効果も否定はしませんが、需要そのものを産み出すものではありません。
私は一番重要なのは需要と供給のミスマッチを解消することと将来の不確実性を減らすことだと思っています。
前者は構造改革などで後者は財政や年金の健全化などです。
しかし両方とも票になりにくいですし、利権も生まれない地味な作業です。

劣化して復活した自民党には今のところ期待できないようです。
期待できないというよりは危うくて、沖縄の基地問題のときの鳩山さんのように見えます。
しかし国家がダメでも都市や企業にはまだまだ期待できるのではないでしょうか。
都市や企業がしっかりしていれば国家が傾いたとしても復活が早いのではないかと思います。
そういう意味で猪瀬さんには期待したいです。
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[ 2012/12/18 23:11 ] 社会 | TB(-) | CM(6)
>私は一番重要なのは需要と供給のミスマッチを解消することと将来の不確実性を減らすことだと思っています。
前者は構造改革などで後者は財政や年金の健全化などです。

まったく賛成です。年金については将来の不安から金を使わない状態になっているとマスメディアでも一時期言われていました。なぜ今回どこの政党もこの問題を前面に出さなかったのでしょうか。維新などに期待していましたが・・・。政党は票にならないと誤解しているのではないでしょうか。真正面から取り組む姿勢を見せれば評価する人は多いと思います。結局「借金によるばらまき」になる「政治的景気対策」にはうんざりですね。もうみんな分かっていると思いますよ。
[ 2012/12/19 06:32 ] [ 編集 ]
記事のご趣旨にまったく賛成です。
この国はどこに向かっていくんだろうなあ・・・・・・。
杞憂に終われば幸いです。
[ 2012/12/19 13:29 ] [ 編集 ]
>なすびさん

そうですよね。
有権者はうんざりしているから投票率も低いのでしょうね。

選挙の時にはどうしても大風呂敷を広げざるを得ないのも分かりますが、もうそんな夢物語を語っている場合ではなくなりつつあることを認識して欲しいものです。

>真正面から取り組む姿勢を見せれば評価する人は多いと思います。
本当にそう思います。
このような候補者であれば若い世代の票を相当集めると思うのですが。


私は本当に日本はやばいんじゃないかと思ったのは今回の選挙が初めてです。
[ 2012/12/19 23:46 ] [ 編集 ]
>mushoku2006さん

>この国はどこに向かっていくんだろうなあ・・・・・・。
>杞憂に終われば幸いです。

たぶん杞憂に終わらないのでしょうね。

でもどこかで経済学者が言っていたのですが、国民全員が15%ほど生活レベルを下げれば何とかなるらしいです。
それを国民が受け入れることができればの話ですけどね。
[ 2012/12/19 23:59 ] [ 編集 ]
はじめまして。ymです。

>経済とはあくまでモノやサービスの消費の拡大を伴って初めて成長する
>需要と供給のミスマッチを解消することと将来の不確実性を減らすことだと思っています。

その通りだと思うのですが、高齢者が大半の資産を有しているという現状では簡単には需給ギャップは埋まらないのではないでしょうか。
藻谷さんの著作(「デフレの正体」だったかな)ではその対策として
いわゆる子育て世代の給与を現状の1.4倍にするとかなりそのギャップが解消できるのではと示唆していました。
相続課税の強化で国家に吸い上げられてもどこに廻るかわかりません。贈与税の緩和では一般の勤労者にどれだけの恩恵があるか?
どのように1.4倍にすることが出来るのかは私なぞにはわかりませんが、歳いくと人間、お金使いませんよ。全く。
[ 2012/12/21 14:20 ] [ 編集 ]
>ymさん

はじめまして。

私が意図しているのは受給ギャップではなく、受給のミスマッチのほうです。
私は需給ギャップにそれほど意味があるとは思いませんし、需給ギャップを埋めるような政策は資源配分の歪みを生み出すだけかと思います。
デフレと同様に結果としての需給ギャップを解消するのが本筋です。

お金を抱え込む高齢者への対策は中々難しいですが、既得権の剥奪、贈与税の緩和とシルバー産業を育てるだけでも十分吐き出させることは可能かと思います。
ただインパクトが大きい既得権の剥奪は政治家がすることはないのでしょうね。
できるできないで言ったらできますが、しないことを望んでいるグループのほうが政治的な力を持っているということです。
[ 2012/12/21 20:12 ] [ 編集 ]
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