人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

研究者にならなくてよかった

リタイアして時間ができてから久しく会っていなかった友人たちに会ってきました。
高校と大学の同級生に研究者になった友人が結構多くて彼らにも何人か会ってきました。
大阪大学や神戸大学で准教授をしている友人の研究室にも遊びに行き、キャンパスを散歩していると大学の雰囲気は20年では全く変わらないなあと懐かしい気持ちになりました。
大阪大学、神戸大学、京都大学は体育会の定期戦があり、私が立ち上げたサークルもこの三大学のメンバーが多く、キャンパス間をよく行き来していました。

大学院に残った友人のその後の人生はそれぞれです。
公的機関に就職できた人は安定した生活を送っていますが、未だに非常勤の人も多いです。
半分近くは非常勤だと思います。
変わっているところではサラリーマンをしながら断続的に夜間の大学院に通い、ようやく経済学で博士号を取得できそうな友人がいます。

私の印象では明らかに優秀な人は大抵30代半ばには就職できています。
私の友人にも博士課程を終えてすぐに旧帝大の准教授になった秀才がいます。
彼は東大に入ってもトップクラスだと思いますが、入りたい研究室があるからといって神戸大学に入学しました。
私なら迷わず東大に行きますが。
一方で私のような凡人レベルとなるとマーケティング力が大事なようです。
世間受けするような研究をしていてコミュニケーション能力が高い人がうまく就職できています。
あとは親が大物研究者というのもありますし、奥さんが大物研究者の娘というパターンもあります。
もちろん本人に実力がないとは言いませんが。

今回あったのは国立大学の准教授3人、独立行政法人の研究員2人、あとは製薬会社の研究員が1人、非常勤が2人です。
半分は毎年会っているのですが、半分は10年ぶりぐらいに会いました。
他にも専門分野に興味があるので会いたい友人が2人いるのですが、テレビにもよく出演する売れっ子になってしまい忙しそうでどうにも久しぶりに連絡を取るのが気が引けてしまいました。
学会の講演でも聞きに行って会いに行こうかなと思っています。

非常勤で食べている人はもちろんワーキングプアです。
不安定な状況がずっと続くのは辛いと思います。
しかし就職できたからといって好きな研究に打ち込めるわけではありません。
国立大学の准教授は半分以上が雑務で休日に研究を進めているそうです。
私学は雑務がもっと多くなるそうです。
独立行政法人と製薬会社の研究員はすでに管理職になって自分の研究をしているわけではないそうです。
最大のミッションは予算の獲得だそうです。

せっかく研究者になったのに研究に時間をあまり使えないというのはおかしな話です。
中学の先生や医者の雑務が多すぎるという話をよく聞きますが、本来するべき仕事に集中できないのは本人にとっても社会のリソース配分を考えてももったいないことです。
彼らは専門分野についてはもちろん深い知識を持っていますが、専門分野でなくても隣接するような分野の勉強はあまりできていないそうです。
ましてや専門外の一般教養レベルとなると一般の人以下かもしれないと言っていました。
本の話をしていても専門と少しは関連しているので当然読んでいるだろうという本を読んでないことも多々あります。
おそらく専門外の事であれば本を読む時間がある私のほうが知識が深いと思います。
現在のように研究が細分化されている時代ではそれでも実績を作れるのかもしれませんが、そのような研究で得られるものはどの程度のものなのだろうと思ってしまいます。

彼らと話していると研究の道に進まなくてよかったと思います。
私は学生時代にそれ程強く研究者になりたいと思っていたわけではありません。
高校の頃にほとんど勉強していなかった反動で大学で勉強するようになり学問の面白さに目覚めたのですが、それでも単にサラリーマンになりたくないという気持ちが強かっただけのように思います。
食えるのか不安でしたし、外国語の文献を大量に読むのが辛くて見切りをつけてサラリーマンになりました。

私がやりたいことは世界に新しい知を付け加える研究ではないのだと思います。
様々な分野の知を横断して自分の頭の中で自分なりの世界像、人間像を作り上げていきたいのだと思います。
そのようなものはまだ個々の学問に分かれていなかった時代のような研究なのでしょう。
神が作り保うた世界を明らかにするというような。
このようなことを実際に論文にして世間に問うようなことができるのは天才レベルの人たちだけだと思います。

例えどこかの大学の准教授に運よくなれたところでおそらく自分の思うような生活をできていなかったと思います。
日々雑務に追われて孤独とは無縁の生活は私には耐えられませんし、正直やる気のない学生の相手なんてうんざりすると思います。
しかし今はアーリーリタイアをしたおかげで理想の生活に近づいて生きているような気がします。
あと40年ほどの人生で自分の思うようなことができるのかははなはだ疑問ですが。
まずはダラダラした生活を改めないと。
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[ 2016/11/19 12:01 ] 日記 | TB(-) | CM(5)
こんにちは

 研究者に憧れたことがあります。自分の好きな分野を勉強しながらメシが食えるからです。私が卒業して数年後に文系大学院も人数規制がなくなり、それまでは学部から院に入るのは数人程度で、しっかりやればどこかの大学で教鞭とれるような雰囲気でしたね。
 今では少子化で、どんな大学でも先生の経歴は高く、研究できる場所が少なくなっているんだなと感じます。
[ 2016/11/19 21:13 ] [ 編集 ]
こんにちは

確かに研究者の自由度はかなり減ってきていると思います。最近は官僚主導の選択と集中が研究分野でも行われており、ブームに乗らないと研究費を獲得するのは厳しそうです。工学系ではロボットかAIをテーマに入れないと研究費がなかなか取れないという話も聞きます。

大学も企業化してるのでしょうね。昔はパトロンを見つけて好きにやっていたのが、今では研究計画書を元に投資家から資金を集めているようなイメージです。

競争で効率化されそうですが、職業としての魅力は少なくなりますね。
[ 2016/11/19 22:27 ] [ 編集 ]
>マークさん

最近はただ博士号を取りましただけでは就職できなくて優秀な人か研究に個性がある人でないとダメみたいですね。
文系の大学院の定数を増やしたのはちょっと罪だなあと思います。
私学などでは経費削減で非常勤の割合が多いため格差も激しいでしょうし。

>とみーさん

国立大学でさえ自分で飯の種を探せという時代ですからね。
特に理系はお金がないと研究ができないので大変ですよね。
私の友人も計画書を出すときに流行りのキーワードをてんこ盛りにすると言っていました。
私は研究機関と仕事をしていたことがありますが、理系の教授は会社経営者のような感じですし、力のある人はキャリア官僚みたいであまり研究者という感じがしませんでした。

役に立とうがたたまいがとにかく知りたいから研究するという人には厳しい時代です。
私の友人にも研究分野がマイナーすぎて一生非常勤と塾の講師で終わりそうな人がいます。
結構優秀なんですが。
[ 2016/11/19 23:31 ] [ 編集 ]
商社マンが飲み会のアレンジに時間をつかうのとなんとなく話が似ている気がしました。
[ 2016/11/29 01:24 ] [ 編集 ]
>YYYさん

商社マンってそんな感じなんでしょうね。
電通のような広告系もそんなイメージです。
[ 2016/11/29 10:36 ] [ 編集 ]
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