人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

ベーシックインカムと労働意欲

ベーシックインカムについてあまり考えたことがないのですが、それが現在より効率的で豊かな社会を生み出すなら良い制度なのだと思います。
しかし私が疑問なのはベーシックインカムを導入した時に人の労働意欲は保持できるのかということです。

月に10万を配るとします。
(これだけでは病気などに対応できないので生活保護制度は完全には廃止できないでしょうが。)
日本の人口の1億2千万人に月10万配るとすると144兆円となります。
ベーシックインカムによりほかの税金がどれくらい減るのかははっきり分かりませんが、大雑把に年金の国庫負担額10兆円、生活保護費4兆円として、切のいい130兆円が必要とします。
このほかに行政の効率化による税金の節約も考えられますがそれほどは大きくならないと思うので無視します。
現在徴収されている所得税は他のことに使うとして引かないとします。

所得税の引き上げで賄うとするとおよそ37%の増税となります。
(あまりはっきりしていないのですが給与申告所得を350兆円としています。)
この場合の年収ごとの例を出してみると

年収→給与所得(給与所得控除のみ)→増税額→実質の増税額(増税額‐ベーシックインカム120万)
200万→122万→45万→-75万
400万→266万→98万→--22万
600万→426万→157万→37万
800万→600万→222万→102万
1000万→780万→286万→166万

あまり自信がありませんが、今までの前提が大体あっているとすると上のようになります。
500万あたりから増税による負担がベーシックインカムによる分配を上回ることになります。
800万の年収だと現在の所得税と住民税で90万ほどなのでさらに100万の負担となり合計で190万の負担となります。
給与所得が900万を超えてくると10万増えるごとに税金で8万取られることになります。

年収が800万ぐらいの人材はそこそこ能力があって一番働いてもらわないといけない人たちですし、仕事の責任も大きくなってくる層です。
しかし所得税と住民税で200万近くも取られるとなると労働意欲は維持できるのでしょうか。
収入が下がってももっと楽な仕事をしようという意識が出てこないでしょうか。
10万収入が上がっても手取りが増えるのは3万弱ぐらいですが、10万収入が下がっても手取りが減るのは3万弱ぐらいです。
年間120万も配られるとそもそも働かなくなる人も続出するのではないでしょうか。
あるいは月に5万だけのバイトにしようという人も出てくると思います。
私なら労働量を減らしリタイア時期も前倒しします。
そうすると労働供給量は一気に減ってしまわないのでしょうか。

ずっと働いていたいという人はもちろん存在します。
しかしほとんどの人の働き続けたい理由は仕事そのものよりは社会参加、職場での友人関係や生活の為でしょう。
もしそうなら孫さんや永守さんのような人以外はより楽でのんびりした仕事にしようとなります。
付加価値の低い仕事が多くなり、付加価値の高い仕事を担う人材が減るとすると経済にはダメージです。
そして高収入層であれば日本から脱出するかもしれません。
海外への資産移転には税金をかけれれても海外で働いた収入には税金をかけられません。

この37%の増税というのは現在の経済規模を維持できる前提です。
個々人が能力を発揮してしっかり働かないと経済規模は維持できないのではないでしょうか。
給与、申告所得が減ると増税と労働意欲の減退の負のスパイラルでシステムが崩壊しそうです。

私はリタイア系のブログを読んでいるので、世の人は身を粉にして他人のためになんか働きたくないものだというバイアスがあるのかもしれません。
もしかするとベーシックインカムが導入されても同じようにみな文句を言わず働いて経済規模を維持できて、リストラなどや病気になった時のセーフティネットとしてのメリットや行政の効率化が達成されるのかもしれません。
しかし私は効果がはっきりしなくて実現性も低いベーシックインカムなんかよりは年金を確定拠出に移行するようなことのほうが効果がはっきりしており実現性も少しはあることを目指したほうがよいと思います。

<追記>

コメントでさいもんさんにベーシックインカムは消費税を財源とする考えの人が多いと教えていただきました。
消費税だと実質賃金の低下の問題が出てきて複雑になりすぎるので所得税にしたのですが、頑張って検討してみます。

消費税1%当たりの税収は2.6兆円ほどです。
極端な消費税の増税による消費の落ち込みは想像もつかないですし、複雑になるので消費額は変わらないとします。
すると50%ほどの増税となります。

しかしここで問題なのは消費税とはインフレ税と同じで貨幣価値の低下と同等です。
10万円の給付が実質は6万6千円に目減りしてしまうので何とか暮らせる実質10万円に補正する必要があります。
消費税を100%に上げると260兆円で20万円を配布しますが、物価も2倍なので実質10万円となり条件を満たします。

ここでさらに問題が出てきます。
物価が2倍になっているので収入に対しても実質的には半分の税金がかかっていることになります。
そうすると所得税を財源とする場合の37%の所得増税の負担を上回っています。
どうしてこういうことが起きるかというと所得税は所得全体に税金がかかりますが、消費税は所得のうち消費したものにしかかからないからです。
徴収のタイミングがずれてしまうのです。
当然消費税の税率を高くしないと賄えないことになります。

この場合はどうすればよいのでしょうか。
1年での消費と考えず一生での消費と考えれば良いと思います。
その場合は遺産として残る部分がありますが、相続税の影響を考慮に入れないとして相続者が消費すると考えます。
そうすると所得全体に税金をかけることになるのですが、またややこしいことに所得控除分にまで消費税をかけることになるのでこれも考慮します。
詳細は省力しますが、再度計算すると40%の消費増税となり所得税増税のケースの37%とほぼ同じで誤差の範囲内です。
年収400万でも所得税増税のケースとほぼ同じになりました。

こう考えると結局は所得税の場合と同じとなるので労働意欲についても同じ結果となります。
10万の収入アップが所得税の場合は直接徴収で、消費税の場合は間接徴収で同じだけの税金が取られます。
本質的には所得税で消費税でも変わりません。
現在の累進課税が全収入層で40%上乗せされたときにどう反応するかです。

しかし徴収方法が変わるのですから消費、労働、貯蓄のパターンは変わってきます。
特に消費のタイミングがどのように変わるかによって消費税収が大きく変わります。

条件が複雑すぎてあまり自信がないですが、行動経済学的な観点を考慮に入れないとすると所得税でも消費税でも本質は変わらず労働意欲に与える影響は同じだと思います。

ちなみに消費税をこれだけ上げると使うのは海外ということになるので、海外への送金、クレジットカード利用、現金の持ち出しなどはすべて消費税分を課税できると考えています。
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[ 2016/10/01 19:14 ] 社会 | TB(0) | CM(4)
BI論者は所得税じゃなくて消費税の増税を財源にするのが基本ですね。ホリエモンもそう言ってました。消費税なら累進性が無いので労働意欲を削がないですし、弱者は基本的に切り捨てで自己責任の世の中です。ホリエモンが好きそうでしょう。あと相続税を100%にするという案もあります。どちらも非現実的だと思います。
[ 2016/10/02 00:09 ] [ 編集 ]
>さいもんさん

>BI論者は所得税じゃなくて消費税の増税を財源にするのが基本ですね。
そうなんですか。知らなかったです。
消費税の場合は実質賃金の問題があって面倒だったので所得税で考えました。
合っているかどうか自信がないですが、記事に消費税のケースの追記しました。

>相続税を100%にするという案もあります。
100%にしたところでそれだけの資産を持っているのは団塊の世代までなので財源としては期待できなさそうですね。

いずれにしても私も非現実的だと思います。
[ 2016/10/02 10:46 ] [ 編集 ]
y
死なない程度で衣食住供給で良いと思います。
全ての人間に1日おにぎり3個もらう権利とか。
[ 2016/10/23 23:41 ] [ 編集 ]
>yさん

なかなか手厳しいですね。
低所得できちんとした生活をすることや真面目に仕事をすることを強制させるような仕組みぐらいは私も必要ではないかと思います。
[ 2016/10/24 00:13 ] [ 編集 ]
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