人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

人は直観で判断する

最近読んだ本でベイズの定理についての記述がありました。
それで以前にアメリカの医者への調査について雑誌か何かで読んだことを思い出しました。
その調査には以下のような問題がありました。

1万人に1人かかる病気の検査で99%正しい判断ができる検査薬を使いました。
検査結果が陽性の場合に実際にこの病気である確率は何%でしょうか?


よく見かける例ですが、アメリカの医者たちのほとんど(記憶があいまいですが)が99%と答えたのです!!
プロの医者がこのような初歩的な確率の問題を理解していないとすると恐ろしいものがあります。

答えは約0.99%です。
確率の知識がなくてもよく考えると分かります。
1万人に検査する場合は病気の人が1人、病気でない人が9999人です。
9999人の病気でない人の1%が疑陽性となってしまうので約100人が疑陽性です。
とすると陽性が1人と疑陽性が100人で合計101人ですので、1%弱の確率で実際にこの病気にかかっていることになります。

もうひとつベイズの定理で有名な例としてモンティーホール問題があります。

3つの箱に1つだけ当たりがあります。
回答者は最初に1つ選び、その後に出題者が残り2つのうち外れの箱を空けます。
その後で回答者は最初に選択した箱か残りの箱を再度選択することができます。
回答者はどちらを選択すべきでしょうか?


多くの人は2つの箱から選択するのだから確率は50%だと勘違いしてしまいます。
これも事後確率の意味を知っていれば明らかで、答えは残りの箱を選択することです。
最初に選択した箱が当たりの確率は33%で残りの箱の当たりの確率は66%です。

最初の選択時の確率を考えれば分かりやすいです。
自分が選択した箱の当たりの確率は33%です。
すると残りの2つの箱の全体の当たりの確率は66%です。
残りの2つの箱のうち外れの箱を除外できるのですから、残った箱の確率は66%に上がることになります。

人間の直観や認知というものはあてにならないことが多いです。
しかし知識と経験、詳細な検討がそれを補ってくれます。
上の例だと確率の知識があれば正しい答えをすぐに導き出すことができます。
あるいはじっくり考えてみても正しい答えにたどり着けるでしょう。

直観や認知があてにならないのは人には感情があり認知のパターンがあるからです。
なので人は勉強と経験が必要なのだと思います。
しかし勉強をしない人や考えない人は直感だけで考えてしまいます。
このような人たちは感情や関連の薄い事象の同時生起に引きずられます。
放射能=怖い、デフレ=不況、格差=金持ちが悪い、などといったキーワードが直観的に結び付けられてしまうといったようなことです。

ネットが一般的になって直観のみに頼った言説がますます増えてきたような感じがします。
そしてそのような言説が一定程度影響力を持つようになっているようです。
もう少し知識や経験、熟考も大切にして欲しいものです。
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[ 2016/08/20 15:47 ] 雑感 | TB(0) | CM(4)
こんにちは
はじめまして。
コアコアと申します。
いつも楽しく拝読させて頂いてます。
今回も面白いなぁと考えつつ何か引っかかっていたのですがふと思いつきました。
私なら精度99.99%の検査薬が作れます。
そう全部陰性しか出ない検査薬を作ればいいんです。

何が言いたいかといいますと1万分の1の確率の事象を検出するには、少なくとも99.99%以上の精度が必要であり、1万分に1人の病気の99%の精度の検査薬という前提自体が有り得ないのではないでしょうか?

素人考えなのですが疑問に思いコメントいたしました。
[ 2016/09/20 13:26 ] [ 編集 ]
>コアコアさん

はじめまして。
読んでくださってありがとうございます!

頭がこんがらがりますが、

>1万分に1人の病気の99%の精度の検査薬という前提自体が有り得ないのではないでしょうか?

おそらく1万分の1という病気の確率と検査薬の精度の99%と関連付けてしまっているのだと思います。
病気の確率と検査薬の精度は独立した事象です。

検査薬はいわばフィルターの役目を果たしてると考えてはどうでしょうか。
実際のがんマーカーでの検査もあくまでがんの確率の高い人をフィルターして精密検査をするものです。
精度が高ければより効率的に診断できますが、100%の必要はなくて経済合理性があればよいものです。
記事の例だと1万人を精密検査をするのは費用が掛かりすぎて不可能でも100人になれば可能になる可能性があります。
[ 2016/09/20 16:40 ] [ 編集 ]
>らいくむさん

コメントのお返事を頂きありがとうございます。
私も学部は文系出身ながらリタイアしたらまた高校数学をやり直してみたいな、などと考えております。

元本を読んでないので何とも言えないのですが

”99%の正しい判断が下せる検査薬”(P<0.01?)とは
くだんの病気に罹患されている方の99%に正しい判断が下せる、あるいは全被験者の99%に正しい判断が下せる、のいずれかの意味であると思われます。

もし罹患されている方の99%に正しい判断が下せる検査薬という意味であれば医師たちの「99%の確率」は正しいといえます。(その場合検査薬は99.9999%の感度が要求されます)

全被験者の99%に正しい判断が下せるという意味であれば、すでに1万分の一人にかかる確率という情報が分かっている時点で99.99%の精度はすでに担保されている事象に99%の確率はありえないのでは?と考えました。

別の言い方をすれば99.99%で当たってしまうくじに1%の確率で外れる事は出来ないのではないか?ともいえます。(たとえが変かな?)

長々と書きましたが正しいか間違っているかは別にして色々と頭をひねる機会となり面白かったです。

私はらいくむさんとは政治、経済に対する考え方も違い、家族構成も異なっているのですが理論的な考え方や深い知識、リタイアや人間関係の感じ方など共感することも多くブログを楽しみにしております。

また私も本好きなので毎月のお薦め本は大変参考になります。
[ 2016/09/20 23:01 ] [ 編集 ]
>コアコアさん

>くだんの病気に罹患されている方の99%に正しい判断が下せる

こっちです。全被験者に対してという考え方はたぶんないと思います。
正確には感度といいます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9F%E5%BA%A6

>もし罹患されている方の99%に正しい判断が下せる検査薬という意味であれば医師たちの「99%の確率」は正しいといえます。

その場合は実際に病気にかかっている場合という前提を付ける必要があります。
まだ病気にかかっているかわかっていないので1万分の1から(99%だから)100倍の100分の1に絞った段階です。

ベイズの定理や検査、感度などで検索すれば解説がかなり出てくるので読んでもらえれば視点が異なる解説があるかと思います。

>また私も本好きなので毎月のお薦め本は大変参考になります。

ありがとうございます。
もともとはネタ不足を補うために誰も興味ないだろうと思いながら書いていました。
けれど参考にしてくださっている方も多いようで嬉しいです。
[ 2016/09/21 00:07 ] [ 編集 ]
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