人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2016年3月のお奨め本

2016年3月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・21世紀に読む「種の起原」(デイヴィッド・レズニック)

出版当時の状況と現代までの進化論の学問的蓄積を踏まえた種の起源の解説書です。
種の起源に関わらず科学系の古典を読むときに難しいのは当時の知的、社会状況を理解していないと難しいことです。
ダーウィンの時代は種は個別に発生(創造)したものであり、変種はまさに例外的なものではなかった時代です。
メンデルの実験の重要性もまだ理解されておらず遺伝の仕組みもまだ分かっていませんでした。
これらをしっかりと理解していないとよく分からない冗長さや慎重さには少々うんざりするでしょう。
当時と現代の進化論の理解のされ方が分からないと意味をつかみにくいのは当たり前です。
しかし、この書はそこのところをきちんと解説しつつ種の起源を読み解いていきます。
また現在の視点から再構成して解説しているので理解しやすくなっています。

それにしてもダーウィンのすごさには圧倒させられます。
自身のビーグル号での旅行の経験や様々な実験、地質学の進歩、化石の研究などからこれだけの壮大な体系を作ってしまうなんて信じられません。
その観察力、思考力、そして後世への影響は間違いなく歴史上で特筆すべき人物でしょう。

進化の速さはダーウィンが予想していたものよりとてつもなく早いことは現代では分かっています。
目に見える進化がわずか数年で現れる例が本書で紹介されています。
また、目の進化はダーウィンは数百万年レベルと予想していたようですが、現代では数十万年レベルだろうと予測されています。




・中世と貨幣(ジャック・ル=ゴフ)

ゴフによる中世の貨幣の歴史の解説です。

貨幣を読み解く視点として以下があげられます。
鉱山の開発や金の輸入、その鋳造と国王、領主などの鋳造する権力。
都市化、商業、特に遠隔地間の貿易、給与労働者の発生。
両替商、高利貸しなどの金融業者の出現。
キリスト教の貨幣の解釈の変遷。

これらの点からローマ帝国崩壊後の貨幣の使用の停滞から再び貨幣が広く使われるようになっていく様子を解説しています。
面白いのは中世であちこち建設された聖堂が貨幣の流通に一役買っていること、そして中世ヨーロッパ経済の停滞は聖堂建築が一つの要因となっていることでした。

口述筆記なのか少々推敲が足りなくて進め方が雑な感じもしましたが中世の貨幣を把握するのにとても良い本です。



・悪女は自殺しない (ネレ・ノイハウス)

飛び降り自殺かと思われた女性の死体が発見されます。
警察に7年ぶりに復職した女性刑事ピアは他殺を疑い、上司のオリヴァー警部とコンビを組んで犯人を追います。
ところが被害女性は美人だけれどもあらゆる人に嫌われており事件は錯綜していきます。

次から次へと出てくる怪しい人物や複雑な人間関係を二人が丹念に追っていくという典型的な刑事ものです。
著者の第二作で自費出版したものらしいのですが完成度の高さに驚かされます。
シリーズの中の第一作なのですが、後の作である人気作が先に翻訳されています。
残念なのは第二作がまだ翻訳されていないことです。
やっぱり順番に読みたいです。

かなり登場人物が多いうえドイツ人の名前が覚えにくいですがお薦めです。

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[ 2016/04/09 18:59 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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