人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2016年1月のお奨め本

2016年1月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・鹿男あをによし (万城目 学)

大学の研究室から追い出されるように奈良の女子高に赴任した先生が鹿に突然話しかけられます。
神経衰弱なのかと悩みますが、鹿に重大な使命を託された先生は奮闘しやがて日本の古代に隠された謎が明らかになっていきます。

何ともユニークな青春小説、ファンタジーです。
日本の運命を左右するような使命を果たすために悪戦苦闘するのですが、その割には周りは緩い人ばかりで切迫感がありません。
悪戦苦闘ぶりも何だかほのぼのしています。
奈良という土地の歴史を利用して何とも斬新な真実を作ってしまう発想には感心してしまいました。
私は基本的にハードな小説が好きですが、こういう緩くてほのぼのした小説も良いです。



・ナチの亡霊 (ジェームズ・ロリンズ)

ネパールの山奥で奇病が発生したとの情報を受けてシグマフォースのクロウ司令官は調査に向かいます。
一方ピアース隊長はダーウィンが所有していた聖書をオークションで手に入れようとしている組織の調査にコペンハーゲンに向かいます。
やがて奇病と聖書はナチのヒムラーの組織が秘密裏に研究していた釣鐘と呼ばれる装置を巡る秘密へと近づいていきます。
釣鐘は人類の進化を操作できる装置でナチの研究の成果でした。

すっかりはまってしまったシグマフォースシリーズの3作目です。
今回も歴史に隠された謎と最新の科学を組みあわせた冒険活劇に心躍らせられます。
今回の科学のテーマは量子学で進化と量子学の関係に迫っています。
これをナチが目指した完璧な人類へのカルト的な信仰と組みあわせています。
量子学は勉強してみたい分野でとても興味深いものでした。
アメリカの小説らしい少々B級なテイストもいい感じです。



・DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?(崎谷満)

日本人のDNA多型分析から日本人のルーツをたどります。
日本人はアイヌや琉球を除くと単一民族のように思われますが、DNAでいうととても多様性があり世界的にも珍しいぐらいです。
出アフリカから様々なルートをたどって順に日本にたどり着いた人たちが共存したためだと考えられています。

DNA多型分析と言語学や歴史学を組みあわせると様々なことが分かります。
アイヌと琉球は同一民族とは言えないことや、渡来系の弥生人は一度に日本に来たのではなく徐々に来ておそらく同化していったことなどはDNAの現在の分布から分かります。
日本の稲作のルーツは長江文明であることもほぼ分かっているそうです。
今後はDNA解析の分野から日本の歴史が解明されていくことが増えていくのでしょう。

残念なのはデータの提示だけに終わっている感があることです。
紙幅の関係もあるので仕方がないのでしょうがもう少しそこからの考察を記述してほしいと思いました。

そしてもっと残念なのは単純なアイヌの共生文化の礼賛や支配的原理のキリスト系文化に対する否定です。
あまりにも稚拙な主張に唖然としてしまいました。
しかし理系の研究者にはこのような主張がよく見られます。
自分の研究テーマについては論理を大切にしていても、社会学的な考察をするといきなりイデオロギー的なものになるタイプの研究者です。
おそらく文化や社会を大枠で掴むことになれていないからでしょう。
スケールが大きくなると論理だけでは把握しきれないですが、かといっていきなり原則やイデオロギーを打ち立ててしまうのは単なる信念、信仰に陥ってしまいます。
社会学系の研究者にもそのような人は少なくないのですが。

ということで本書はとても良い本だとは思うのですが、後半のアイヌ礼賛や多様性の維持のあたりは全く読む必要がないです。

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[ 2016/02/14 11:55 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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