人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

衆愚政治とエリートによる政治

軽減税率の導入がほぼ決まったようです。
一度導入されると廃止されることはないのでしょう。
これほど下らなく社会的リソースを浪費する政策も中々ないでしょう。
いつもは百家争鳴する経済学者やエコノミストも軽減税率だけは賛成の人を見かけません。
経済の素養がなくても馬鹿な政策だということは明らかでしょう。
しかし信じがたいごとに世論も支持しているようです。

エコポイントや地域振興券、ふるさと納税など馬鹿な大衆は喜ぶだろうという意図を持ってなされた政策は数多くあります。
残念ながらこれらは国民に支持されているようです。
反対するのは社会全体としての損失が大きいことを理解できる人だけで、そのような人は少数派なのでしょうか。

オルテガの書いた「大衆の反逆」は匿名の大衆が権利を主張し始めた社会状況を憂いた本です。
オルテガは民主主義が欲望を解き離れた大衆に権力を与え、工業化が他者と同じものを求める大衆の欲望にこたえ、科学の細分化が全体をとらえられなくなるとき大衆と結びつくとします。
そして匿名の大衆は決定権を持ってしまったにもかかわらずその決定に責任を持つことはありません。

情動で判断せずに社会全体をとらえて判断できるエリートによる政治が求められているのでしょうか。
もしそのようなエリートが存在すれば問題は解決するのかもしれません。
しかしエリート層もまた匿名の大衆にすぎません。
自らの利益を優先する知恵と権力を持ってしまった大衆です。
彼らに全体最適など望むべくもありません。

社会全体で考えると存在するのは大衆のみです。
これが小規模なグループであれば強力な指導者も存在可能です。
ユニクロや日本電産、ソフトバンクの創業者は自分で責任を引き受ける強力な指導者と言えるでしょう。
国家であればシンガポールぐらいの規模であれば可能かもしれません。
もちろんこれらのケースではトップによる価値を強制することにもなりますが、大衆の情動のみに流されるということはありません。

社会に大衆しか存在しないと軽減税率のような下らない政策は今後も続くのでしょう。
ではどうすればよいのか。
結局は意思決定をできるだけ市場に委ねるしかありません。
現在は公務員が多いからなのか市場に任せるべき仕事の多くを国家が奪ってしまっています。
市場は政治家や大衆のように個々の欲望を考慮することはありません。
匿名の大衆に意思決定をさせないことが大事です。
意思決定するときは市場で対価を払ってモノやサービスを買うときのみです。
あるいはモノやサービスを売るときのみです。

私は市場が万能だとは思いませんし、国家による再分配制度や経済政策も必要だとは思っています。
不況期に公共事業を増やすような政策も必要だと思っています。
しかし国家が行う多くの政策や法律は効率的な社会を損なっています。
社会の活力を損ない、他者に依存し責任を引き受けない匿名の大衆を増やすだけです。

それにしても地方創生、軽減税率、携帯電話料金や賃金アップへの介入・・・。
これらに費やす費用と時間をもっと生産的なものに向けられないのでしょうか。

・大衆の反逆 (オルテガ・イ ガセット)

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[ 2015/12/20 10:51 ] 人生 | TB(0) | CM(4)
民主主義よりマシな体制は現在のところない
民主主義とは制度自体に巨大な無駄がビルトインされています。まず膨大な大衆の意図を集約するという作業が無駄そのものです。でもこの制度には過ちをある程度の所で修正できるという利点があります。大衆は痛みに敏感ですから。
その点において最適解を少数で割り出すことができるエリート政治の方が遥かに効率がいいのは確かです。ただこちらの制度は稀に誤謬を犯した時にある程度の地点で修正することが困難です。エリートは無謬でなければならないゆえにある程度では止まれないんですね。行くとこまで行き破滅的な結果をもたらします。北朝鮮などその典型でしょう。
北朝鮮に限らずどの国でもそのような経験を歴史上一度や二度はしています。その結果落ち着いたのが民主主義なわけです。まあ民主主義でも行くとこまで行く場合はあります。でもそれは大衆の責任ですね。事後誰も非難はできません。ただ、やり直すに当たってすべての人がそれまでのことを諦めるということは結構大事なことです。それを実現するだけでも民主主義とは優れた制度でしょう。
[ 2015/12/24 10:41 ] [ 編集 ]
>ケンぺスさん

私も同様の考えを持っています。
少数の官僚や独裁者よりは情動的で無知蒙昧な大衆への信頼のほうが強いです。

民主制度は権力の分散が効きにくいので市場メカニズムにより責任と権力をできるだけ一致させることで補完すべきという考えです。
もちろんどの程度市場に権力を移して分散させてしまうかを決めるのも選挙で選ばれた政治家ですけれど。
[ 2015/12/24 23:03 ] [ 編集 ]
ご無沙汰です。
海外からこの軽減税措置を見ると馬鹿げていると思います。
たかが2%のために商店主はどれだけ時間と労力を損失するのか。
軽減税導入できるのはおっしゃる通りシンガポールくらい。
ヨーロッパの小国を成功例として引き合いに出してますしね。
そして財源は、?先送り。
コバンザメ某政党による骨抜き税政策、だったらお布施で補填してくれ。また「庶民のふところ具合」とか言ってるメディアが悪い。

タイでは軍事政権が1年半続いていますが、発展を続けています。
優れた指導者なら独裁も悪くない感じ。

[ 2015/12/25 02:07 ] [ 編集 ]
>けんたろうさん

お久しぶりです。

ですよね。
世の中は無駄な制度で得している人は多いですが、軽減税率で得をするのは益税狙いの事業者ぐらいのはずです。
ヨーロッパでも本当に成功しているのかもはなはだ疑問です。
本当に無駄な労力をかけるだけの制度が多いですね。

私は社会のことにはあまり興味ないですが、たかり体質にだけはどうにも腹が立ってしまうんですよね。
[ 2015/12/26 00:41 ] [ 編集 ]
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