人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2015年10月のお奨め本

2015年10月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・脳のなかの幽霊 (V・S・ラマチャンドラン)

脳科学の名著です。
幻肢、半側空間無視、カプグラ症候群など興味深い症例を取り上げて脳の不思議に迫ります。
幻肢の話はよく聞くと思いますが、そのメカニズムを知ると脳の奥深さに驚くことでしょう。

これらの患者に対して著者が行った実験を通してそのメカニズムに迫るというスタイルがとても面白いです。
その実験方法も意外にシンプルなものが多く最先端の科学の実験でも設備などより発想が一番大事なことがよく分かります。

脳関連の本を定期的に読んでいますが、どれを読んでも人間の思い込みを覆されます。
私が一番思うのは論理や理性や客観というものなどはたいしてあてにならないということです。
脳は簡単に嘘をつきます。
卒中で障害が残った人が他のことにおいては知性的なのに脳の都合によって簡単に嘘をついてしまいます。
その嘘を本人は全く意識していません。
あるいは障害のない人でも脳は自分の都合で世界を認識しています。
人間の目には盲点といって見えない部分がありますがその部分は脳が周りの背景から勝手に解釈してしまいます。
私が驚いたのは陰影のある円の上部が明るく、下部が暗い場合は膨らんで見えて、その逆では窪んで見える理由です。
自然界では太陽が上にあるので湾曲した物体の上部が明るく照らされることを視覚システムが組み込んでいるからだそうです。

宗教的な感覚とは何か、意識とは何かなど哲学で問われてきましたが、ここ最近は脳を調べればよいだけのことという思いがどんどん強くなってきています。



・宇宙はどうして始まったのか (松原隆彦)

宇宙の始まりについて平易に解説しています。
量子論や相対性理論の話が出てきますが、物理や数学に知識がない人でも何となく理解できると思います。

結局のところまだまだ宇宙の始まりについては分かっていないのですが、その分からなさを知るだけでもワクワクしてきます。
宇宙が始まる前の無の状態とはいったいどんな状態なのか。
北極点まで歩くと北がなくなりますが、そのようなことを想像してみればいいと言われても何のこっちゃという感じです。
無であるからにはおそらく空間がない世界であり、空間がないと時間が存在しないわけで私たちの感覚では想像できない世界ですね。
宇宙は沢山あるのではないかという説でも次元が違うところに別宇宙があるのか、空間の壁みたいなものがあって隣にあるのか、どう考えたらよいのかさっぱり分かりません。

初めて知ったのですが、宇宙が膨張していることを発表したハッブルよりも2年早くジョルジュ・ルメートルという人が同じような結果の論文を発表していたそうです。
私はてっきり宇宙の膨張の発見者はハッブルだと思っていたのですが、この人は功績をことさらに主張することもなかったらしいです。
このような大発見の栄誉を求めない人がいたとは驚きです。




・戻り川心中 (連城 三紀彦)

抒情感溢れる推理小説の短編集です。
花をテーマに大正、昭和初期を舞台に情念を燃やした者たちの犯罪を描いています。

推理小説ですが、どちらかというと流麗な文章によって犯罪を犯すに至った男や女の機微を描いた小説です。
思いをかなえることの難しさ、生きることの難しさ、どうしようもない境遇などが大正期を舞台に描かれるとどうしてこんなにも美しくなるのでしょうか。
著者の文章力に脱帽です。
特に「桔梗の宿」という短編での遊女の少女の悲しさが胸に染み入りました。

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[ 2015/11/08 13:15 ] 今月のお奨め本 | TB(0) | CM(0)
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