人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2015年6月のお奨め本

2015年6月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・言説の領界 (ミシェル フーコー)

1970年のコレージュドフランスの開講講義です。
「言葉と物」、「知の考古学」を経て70年代の権力分析へと転換する時期の講義であり、今後の研究の方向を示した講義です。

前半で西欧において言説はどのように管理されてきたかを述べます。
ある種の言説の排除、語られる内容に制限を加える言説の産出の制限、そして言説の特定グループの占有。
これらは哲学的テーマによって強化されてきた面もあるとフーコーは言います。
そして後半ではそのような管理されてきた言説をどのようにこれから分析されていくべきがを述べます。
言説を制限するネガティブな作用の分析、固有の規則性を持つ種別的な出来事としての言説、言説の内奥ではなく外的な可能性の条件の分析などがそれです。
訳者の解題にもあるようにこの時点では言説の制限といったネガティブな作用が強調されていますが、のちの言説の産出という生産的な権力はまだ述べられていません。

訳者の訳注や解題が非常に親切で参考になります。
専門家でもない人間にはこのような解説は理解に非常に役立つことと思います。
転換点にいた頃のフーコーの考えがコンパクトにまとまっている良書です。



・原始仏典(中村元)

初期の仏典のなかから仏陀の生涯に関わるものやジャータカ、賛美詩などをまとめています。
どのような宗教も経典は分量が多く、読んでいても退屈なものが多いです。
経典は大抵節をつけて読む習慣があると思いますが、リズムを付けて忘我の域にでも近づけないと退屈で投げ出すからなのではと勘繰るほど退屈なものが多いです。

私も仏教の経典をきちんと読んだのはスッタニパータぐらいしかありません。
福音書やクルアーンは結構読んでますが、これまた退屈です。
本書は初期の頃の仏典の面白そうなところをまとめてくれるのでどんなものなのかを知っておきたいという人にはお薦めだと思います。




・マギの聖骨 上 (ジェームズ・ロリンズ)

ドイツのケルン大聖堂でミサの最中に修道士の集団が襲撃してマギの聖骨を奪い、その場にいた全員を殺害するという事件が起こります。
マギとは東方の三博士のことです。
襲撃者たちはドラゴンコートと呼ばれる一派で中世から世界を一変させる秘密を追っていました。
その秘密のカギがマギの聖骨だったのです。
彼らに対抗するためにアメリカの特殊機関シグマフォースとヴァチカンの調査員は歴史から聖骨の謎の解明に取り組み奪還をはかります。

シグマフォースシリーズの第一弾です。
歴史と最新の科学を題材にしたアドベンチャーでインディージョーンズそのものです。
(著者はインディージョーンズのノベライズもしています)
歴史と最新科学からフィクションとノンフィクションを織り交ぜて作られる物語はさすがです。
今回はm状態の金と呼ばれるものの秘密で古代エジプトからアレクサンダー大王へと受け継がれてきた謎に迫ります。

前作のシグマフォースのシリーズ0に比べてスケールが小さいのが残念ですが、他に面白いものもなかったのでこれをお薦めとします。



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[ 2015/07/11 17:50 ] 今月のお奨め本 | TB(0) | CM(0)
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