人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

人生が終わるということと時間の感覚

以前に以下の記事で自分が人生を終えるという感覚を持っていると書きました。

これから人生が始まる人と人生を終ろうとしている人

なぜこのような感覚を持つのかというと自分の時間に対する感覚が変わってきたからだと思います。
人は生まれると人生というレールの上を歩み始めます。
節目節目では選択を迫られて他人とはかなり異なったルートになるかもしれませんが前へ前へと進んでいきます。

小学校を卒業して中学に入学した時は子供から大人への過渡期に入ったように思いました。
高校に入学した時はさらに大人に近づいたような気がして精神的にもませてきました。
文学や哲学などの小難しい本も読むようになりました。
大学生になると酒を覚えて彼女もできて大人にはなったけれども社会に出る前のモラトリアムを味わっている感じでした。
大学生までは自分は新しい経験を積んで確実に前へと進んできました。
精神的にも肉体的にも変化し続ける毎日でした。

そして社会に出てからも社会のしきたりや仕事を覚えて自分が変化し成長しているように思えていました。
しかしやがて変化し、前へ進むという感覚がだんだんと無くなってきます。
仕事も一通り覚えるとあとはルーチンワークのように感じてくるようになりました。
仕事や旅、遊びも一通り経験すると好奇心も満たされてしまい、精神的にも肉体的にも変化が無くなりました。

30代後半になると人生での選択の時も無くなり、成長する感覚も無くなり直線的な時間感覚を持たなくなったように思えます。
目の前にあったレールを見失ってしまったのか、あるいは自分からレールを降りたのか。


荒っぽく言うと一神教は直線的な時間感覚を持っていると言えます。
始まりは天地創造で終わりは最後の審判です。
最後の審判で救済されるという目的があるので時間は直線なのです。
目的は抽象的なものではなく具体的なものでなくてはなりません。
実際に中世ヨーロッパでは現実に最後の審判が迫っていると考えられていました。
面白いのは最後の審判後の時間があいまいだということです。
最後の審判が強調されすぎて目的達成後のことはあまり考えられていないのかもしれません。

一方ギリシャや輪廻思想も含まれるかと思いますが円環的な時間もあります。
これは目的を持ちません。
時間は可逆的なものであり繰り返すものです。
この目的のない円環を苦しみとしてそこから逃れようとする思想もあります。

ニーチェは永劫回帰を唱えますが、これも円環的な時間です。
最後の審判が抽象的な実感できないものとなると人生の目的もはっきりしないものになります。
どんな人生であっても最後は死で回収されてしまうのなら目的は虚しくなりニヒリズムが生まれます。

私も30代後半になったときに目的を持った直線的な時間感覚が薄れてきたと思います。
あとはただただダラダラと日々を楽しみたいと思うときに人生の目的なんぞありません。

では円環的な時間感覚を持つようになったのかというと違うように思います。
直線でも円環でもなく反復する時間を感じています。
原始共同体で持たれていたであろう時間感覚です。
ただ太陽と月が交互に現れる、雨季と乾季が交代する時間です。

私は人生という言葉に目的や意義といった言葉を結び付けてしまいます。
そしてそこではやはり直線的な時間を歩んできたように思えるのです。
そして今では老化していくという変化は感じつつも、昨日が終わり今日が始まりそして明日を迎えるのではなく、今日という日を何度も繰り返しているように思えるのです。

反復する時間の中でも人生を歩んでいくと言えるのでしょうか。
あるいは反復の中にも差異があり差異を生み出していくことで再び人生が始まるのでしょうか。


以下は時間を社会学的に論じた名著です。
哲学的な時間論は訳が分からなくてつまらんという人でもこちらは文化と時間の関係の面白さを味わえる素晴らしい本です。
多感な10代のときに初めて読んだ時の衝撃は今でもはっきり覚えています。

・時間の比較社会学 (真木 悠介)


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[ 2015/01/17 20:04 ] 人生 | TB(1) | CM(2)
子供の頃、時計の読み方を教わった時すごい不信感ありました。
なんで他人が勝手に決めた都合に合わすんだ!みたいな。
その部分って変わらなくて今でも曜日の感覚とかは殆んどないです。体内時計はあるので一応朝起きて夜寝てますけど。
[ 2015/01/18 13:18 ] [ 編集 ]
>yamyasさん

客観的な時間は文明が生み出した不自然なものですからね。
リタイアすると曜日の感覚はなくなるでしょうし、時計をほとんど見ない生活になるのでしょうね。
その時に時間の過ぎ去る速度はどう変化するのか楽しみです。
[ 2015/01/19 00:09 ] [ 編集 ]
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