人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

ノーベル賞について

世界的に有名な賞と言えばノーベル賞かオリンピックの金メダルでしょう。
ノーベル賞が決まると世界中のメディアが盛り上がり、日本でも科学立国日本というようなことが言われます。
と言ってもほとんどの人は何の興味もなく、メディアの人も仕事だから盛り上がっているだけだとは思いますが。

ところでノーベル賞には物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済の賞があります。
経済は厳密にいうと正式なノーベル賞ではないですが、同じ扱いと言ってよいでしょう。
これらは人類に偉大な貢献を果たした人が選ばれることになっています。

今年の青色発光ダイオードの研究に関する受賞は人類に貢献したことは確かだと思います。
明らかに世界中の人が恩恵を受けた発明ですから。
しかし文学、平和、経済の各賞はどうなのでしょうか。

多様な言語、文化が存在する世界で文学で人類に貢献した人ってどうやって決めるのでしょうか。
そもそも文学で世界に影響を与えることなんてほとんどないように思うのですが。
ノーベル賞受賞者の作品を読んだことがある人なんて少ないでしょうし、そもそも名前も知らない人がほとんどでしょう。
川端康成や大江健三郎、有力候補の村上春樹がどうして人類に貢献したと言えるのか私にはさっぱり分かりません。

平和賞の受賞者には人類に貢献したと言える人もいるのだとは思います。
マザーテレサやダライラマはノーベル賞に値する人のように思えます。
今年の受賞者も個人の功績はともかくとして女性や子供の権利に目を向けさせるというのは意味があると思います。
しかしどうしても政治的な意図に左右されやすくある種の宣伝に使われることは否めません。

そして経済学賞です。
確かに偉大な経済学者たちが受賞しているのでしょう。
しかし人類に貢献したと言える人がどれほどいるのでしょうか。
GNPの計算についての基本的研究は人類に貢献したと言えると思います。
GNPやGDPが分からないと経済成長しているのかどうかも分かりませんから。

しかし多くは単なる経済モデルの発明など実際にどれほど役立つのか不明なモノばかりです。
しかもこのようなモデルは普通の人でも予想できるものが少なからずあり、それを数学的なモデルにしたことが評価されているだけです。
ゲーム理論や行動経済学などの新しい領域も面白くてもちょっとした政策のアイデアに役立つ程度のものです。
実際の経済に役立つ成果を上げてこそ人類に貢献したと言えるのではないでしょうか。
ノーベル賞受賞者を多数出しているシカゴ学派が果たして実際の経済政策にどれほど貢献したのでしょうか。
レーガノミクスの惨憺たる結果を見てもシンプルな理論で現実の複雑な経済をコントロールするのは不可能であることは明白です。

問題はノーベル賞を受賞したことでその人の発言に権威が与えられすぎることです。
あくまで経済のある理論に貢献しただけなのに経済政策にも影響力を持ってしまいます。
メディアでもノーベル賞を受賞したクルグマンなどというような紹介をして権威付けされます。

どれほど頭脳明晰であっても現実の経済をコントロールできるような人はこの世に存在しません。
しかしリップサービスもあるのか、著名な経済学者はあたかも処方箋が分かっているような言い方をします。
クルグマンやスティグリッツ、あるいはバーナンキ(ノーベル賞は取っていませんが)が馬鹿じゃないのかという発言をすることがありますが、彼らは世界トップレベルの頭脳だからこそ物事が分かっているという錯覚をしてしまうのでしょう。
しかしノーベル賞のような権威は彼らの考えを利用したい、あるいは信じ込んでしまう人には錦の御旗になってしまうのです。

科学に関する賞は実際に人類に貢献したと言える人に与えられているでしょうし、研究者の競争を促しているのだと思います。
賞が与えられることによって一般の人が科学に興味を持つという効果と科学に関する教育や研究を大切にするという意識づけにもなるでしょう。
しかしノーベル経済学賞は人類に貢献したと言えるほどの人に賞が与えられるわけでもなく、その権威付けがかえって有害なのではないかと私は思います。

最近下記の本を読んだのですが、お薦めするような本ではないのでここで紹介しておきます。
ノーベル賞受賞者の業績を簡潔にまとめて紹介している本かと思い読みました。
実際には業績に関してはあっさりしすぎており、受賞者のエピソードと業績についての皮肉のオンパレードです。
特にシカゴ学派が嫌いなようでほとんどバッサリ否定しています。
行動経済学や経済統計学については好意的なようです。
もっときちんと業績について解説してほしいですが、皮肉ににやりと笑って読み飛ばしていけばとりあえずは経済学賞の歴史が分かります。

・ノーベル経済学賞の40年―20世紀経済思想史入門 (トーマス カリアー)


関連記事


にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

[ 2014/11/01 16:42 ] 社会 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

ブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

相互リンクとコメントを頂いた方