人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2014年1月のお奨め本

2014年1月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・日本仏教思想史論考(末木 文美士)

日本の仏教思想に関する論文集。
日本における仏教思想研究の歴史と現状、浄土思想、本覚思想、鎌倉新仏教と旧仏教の思想的関係など。

仏教思想研究の歴史と現状に関して詳細に論じているので仏教研究の案内としてとても便利です。
学問としての仏教思想研究がこれまで不十分であった理由、鎌倉新仏教と旧仏教の研究のされ方の変遷などが特に詳細に論じられ興味深いです。
近代の日本仏教思想研究は新仏教中心の研究から始まり、旧仏教、特に浄土教との継続性、本覚思想との関係なども研究されるようになりますが、そのような変遷がなぜどのようにして起きたのかは非常に面白く読めました。
研究が進んだ結果であったり、時代や社会の要請であったり、一研究者の興味であったりで学問の対象は変わっていくものです。
新仏教と旧仏教という二元的な見方もそろそろ限界がきているのかもしれません。

その他には新仏教からの批判に対する法然の行動、明恵による法然批判に関するものが印象に残りました。
専門的な論文もあるので議論が細かく読みにくい部分もありますが、日本仏教思想について概観を知ることができる良書だと思います。




・ソリトンの悪魔(梅原 克文)

与那国島の沖合いに浮かぶ巨大海上都市が謎の生命体に攻撃されて海底に沈みます。
近海の海底油田採掘基地で働く倉瀬は海上都市の崩壊に巻き込まれた娘の救出に向かいますが、そこから次々と危機に巻き込まれていきます。

ほとんど海中でストーリーが進行していくスケールの大きい近未来SFです。
移動スピードが速いうえに強力な衝撃波を放つ生命体が牙を向いてくるというパニック映画のような危機が次々と襲い掛かってくるのでどのように危機を切り抜けるのかハラハラしながら読んでいきました。
倉瀬が自分のあらゆる知識を使って生命体に対抗していくさまは本当に見事に描いています。
長編ですが次の展開がどうなるのか気になってすぐに読めてしまいます。

SF作家はよくこんなことを思いつくもんだと感心させられる作品です。



・扉は閉ざされたまま (石持 浅海)

高級ペンションで開かれた同窓会に出席した伏見は後輩の新山を新山の部屋のバスタブで殺害します。
伏見は新山の部屋を密室にして、さらに合鍵がなくセキュリティも厳しいので部屋の外からも容易には入れない環境でした。
いつまでたっても部屋から出てこない新山のことを心配し始める参加者たち。
伏見は彼らをコントロールして新山の部屋に入らせないようにしますが、状況の異常さを気にし始めた碓氷優佳との頭脳によるせめぎあいが始まります。

犯人と探偵役が部屋に入るべきかどうかという議論の方向を支配しようとする攻防が見所です。
また探偵役が部屋の中を見ることができない状態で現在の新山の状態を推理しなければいけないという設定も面白いです。

舞台設定や道具立てはよく練られているのですが緊迫感がどうにも足りないように思えます。
会話の流れがどうにもだらだらしているし、鮮やかな論理の展開もいくつか欲しいところです。
動機の設定も苦し紛れに考えた感があります。

不満な点も多々あるのですが、舞台設定の面白さは十分に楽しめます。


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[ 2014/02/16 11:23 ] 今月のお奨め本 | TB(0) | CM(0)
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