人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

日銀の手詰まり感

前回の日銀会合では長期金利の変動幅を広げ、ETF購入にも含みを持たせつつも、来年の消費税増税を見据えて緩和を維持するとなりました。
もう日銀もどうしようもなくなっていると感じているのではないでしょうか。

強烈な量的緩和で2年で2%のインフレを達成するという夢物語が覚めてしまった後は抱えた爆弾を必死に抑え込んでいるように見えます。
うんともすんとも言わない物価に対して途中で量的緩和を金利操作に変更して密かに国債の買い入れ額を減らしてきました。
今回はETFの買い入れ額も減らそうとしているのでしょうか。
最近は日銀のETF購入のステルステーパリングのニュースが多くなってきました。

これらの限界は最初から分かっていたことでだからこそ短期決戦で2%を達成するつもりだったのでしょう。
黒田さん自身がどの程度自信があったのかは分かりませんが、当時のエコノミストは無謀すぎるという意見が大半でした。
最終的に日銀が抱える国債やETFは大きな爆弾となるということも危惧されました。
経済や政策の予測は非常に難しいですし正確に予測することなんてほとんどないことだとは思いますが、リフレ策に関しては大方の推測通りの残念な展開をしてきたのではないでしょうか。

今やいかにして急激な円高や株安を招くことなしにテーパリングできるかが課題となっています。
アメリカの成長や利上げがいつまで続くかもわからない状態ではこれは非常に困難作業です。
実際に国債買い入れ額を縮小させているとはいえ、中止には程遠い状況です。
この危うい現状維持の綱渡りが果たしてどこまで続くのか見ものです

安倍政権があれほど日銀の独立性を犯すことがなければもう少しましな状況だったのではないでしょうか。
黒田さんはまだしも原田さんあたりからもう日銀の理事なんて誰でもいいような感じになっています。
トルコのエルドアンさんはまだしも、アメリカの大統領まで平気で利上げるするなという時代ですからそんなもんかなとも思いますが。
それでもFRBはトランプさんに簡単に屈するようなやわではないでしょう。

物価は鳴かず飛ばずですが、原油価格が戻り、人手不足も続くのでそろそろ上がってくるのではないのだろうかと思っているうちに何だか怪しくなりつつあります。
あと数年もすればAIが本格化してホワイトカラーの賃金抑制に働く可能性がありますし、外国人労働者の促進も人手不足を緩和します。

もう安倍政権では自己否定となる方向転換は不可能でしょう。
しかし次の政権ではかなり危うい状態になってる可能性があるのではないでしょうか。
東京オリンピック後に不況が来る可能性がささやかれていますが、日本だけではなく世界経済がそろそろ不況期に入るかもしれません
もしそうなっていたら日銀は一体どうするのでしょうか。

それにしても経済政策に魔法はないしフリーランチもないということをそろそろ気づいてもいいころではないかと思います。


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[ 2018/08/21 15:40 ] 社会 | TB(-) | CM(6)

2018年7月のお奨め本

2018年7月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。


・アダム・スミスとその時代(ニコラス フィリップソン)

アダム・スミスの評伝です。
とは言ってもスミスは文書類を残さなかった人でこの頃の思想家としては珍しく書簡も少ないそうです。
遺言でも草稿やメモなどの書類の類はすべて燃やすように指示しています。
本書ではスミスの思想がどのような時代背景や哲学者の交わりから生まれてきたのかを解説しています。
特にスミスが影響を受けたハチソンやヒュームの思想の関係は詳しく書かれています。
他にはフランス滞在時のケネーら重農主義者との交流なども「国富論」の考え方を形成するの重要だったようです。

スミスは至極真面目で実直な人だったようです。
大学の改革に尽力し学生との交わりを楽しむ人であってルソーのような破天荒なエピソードが皆無です。
天才にありがちな何かに没頭してしまって周りからは愚鈍に見えてしまうと言ったようなことはあったようですが。
また生涯母親を大切にして独身であり恋愛関係にあった女性の存在も知られていません。

日本ではスミスの代表作は「国富論」でしょうが、スミスはもちろん人間学を目指していたのであって彼自身は代表作を「道徳感情論」と考えてより完成度を高めるために改訂を重ねています。
晩年は芸術に関する本を書こうとしていましたがそれが実現しなかったのは本当に残念なことです。
現実の社会に根差した着実な哲学体系を目指したスミスとスミスと関わりのあった土地や人々の話はまるで18世紀のスコットランドの息吹を感じるようでした。
少々分厚いですが当時のスコットランドの思想に興味がある人にはお薦めです。



・光とは何か (江馬 一弘)

光の基本的な解説をした入門書です。
高校生から専門外の大学生向けのレベルです。

身近で見られる光の現象の仕組みを解説しながら光とはどういうものかを教えてくれるので楽しく読み進めることができます。
光の屈折から始まり虹や鏡、蜃気楼、光ディスク、光ケーブルなどが例として挙げられています。

複雑な物理的な現象については説明を割愛していますが、光がどうやって生まれるかなど物理的な説明も読者が躓かないレベルでの説明はあるのでミクロレベルでの理解も大まかにはできると思います。

光分野での研究の進展はわくわくするようなものばかりで、光を貯める光電池や光信号のままでスイッチする光ルータなどは特に面白そうで私が生きている間に実現しないかなあと思ってしまいます。




・ダスト (ヒュー・ハウイー)

WOOL、SHIFTに続く3部作の完結編です。
ネタバレになるのであまり書けませんが、WOOLで地下に伸びるサイロの世界と主人公のジュリエットの反乱が描かれ、SHIFTでサイロができることになった真相とその後の歴史、そして最後のDUSTでジュリエットの反乱の結末となります。
この三部作は独立していないので順番に読む必要があります。

サイロの世界の作りこみの面白さ、次が気になってしまい読む手が止まらないストーリー展開、テンポの良さなどどれをとっても良いです。
エンターテイメント系のSFでは必ず手に取ってほしい作品です。



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[ 2018/08/07 13:18 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(2)
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