人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

リタイア資金と親の遺産

リタイアを目指す人たちの資金計画を色々と見て楽しませていただいています。
一つ不思議なことはリタイア後の収入として親からの遺産相続を組み込んでいるケースを見たことがないことです。

年金はほとんどの人が収入の予定として組み込んでいます。
親の資産の正確な金額や介護や病気などでどれだけ目減りするか分からないという不確実性はありますが、ほとんど破綻しているかもしれない年金も同じ程度に不確実だと思います。
私の場合は年金よりは親の遺産のほうが確実性が相当高いと思っています。

私の親の世代で上場企業や公務員でかつ堅実なタイプの人であれば5千万以上の金融資産を持っているのは全く珍しくないと思います。
夫婦で公務員でしたら退職金だけで5千万円ぐらいあるでしょう。
さらには年金生活中でも毎月10万以上貯金しているケースも珍しくないと思います。
だとすると病気などでの目減りを考えても1千万程度の相続は全く珍しくないのではないでしょうか。

アーリーリタイアする人は5千万円程度をリタイア資金とすると思いますので1千万円は相当大金です。
私の場合は90歳まで生きて5百万円残すとしてシュミレーションしています。
もし私の母親が100歳で亡くなり遺産が1千万円入るとすると74歳で1千万円ぐらいに変更できます。
これは資金計画にかなりのインパクトがあります。
2千万円の相続が見込める人なら金銭的な意味での長生きリスクはほぼ無いと言ってよいでしょう。

このように親の遺産を考えると一気に資金計画が楽になるはずですが、何故か私も遺産を資金計画に入れていません。
アーリーリタイアは想定できるあらゆるケースとその可能性やリスクを考えて計画を立てるにも関わらず、何故親の遺産を計画に入れている人がいないのでしょうか。

親の遺産を考慮に入れない理由として考えられるのは、

1、そもそも親の遺産が期待できない

親が資産をあまり持っていないのなら遺産を計画に入れることはできません。
しかし一般的に言って遺産が期待できる人はそれなりの割合でいるのではないかと思います。

アーリーリタイアする人とその親の裕福度合いには相関関係がある可能性もあります。
裕福でない家庭で育つと我慢することが自然になっているので、リタイアを思い立つと苦もなく節約して資金を貯めることができるのかもしれません。
逆に裕福な家庭に育つとリタイアしたいとは思っても簡単には我慢する生活をできずにずるずると働き続けるのかもしれません。

2、自分の力以外に頼ることを良しとしない

若くしてリタイアを目指し始める人は自分に厳しい人が多いようです。
そうでないと40歳ぐらいでリタイアなんてできません。
そのような人であれば親の遺産という自分で稼いだのではない資産を自分の資金計画に入れることはできないのではないでしょうか。
若い頃からきちんと計画して自分の力でリタイアを目指す人は自分に厳しい分、他人にも厳しく特に生活保護受給者などへの批判も手厳しい人が多いのも分かります。
私も何となく卑しくもリタイアを目指すと言うなら自分の力でなすべきと言う気持ちがどこかにあります。
しかし、リタイアとはプロジェクトであり様々な客観的要素を組み込むべきだとも思います。

3、親の死を利用するという後ろめたさ

人、特に自分の親の死を利用すると公言することには後ろめたさがあります。
特にお金というある意味人間の欲の象徴であればなおさらです。
いつかは必ず親も死ぬことが分かっていても、それを資金計画に組み込むことは後ろめたいし、親の死を期待していると思われるようでできないのかもしれません。
相続のタイミングを考えることは親の死のタイミングを考えることであり、いつまでには死んでくれるという発想にもなります。
親がいきなり散財し始めないように監視するという嫌な考え方にも繋がるかもしれません。


以前、弟と妹が続けて結婚したときにこの機会に援助として子供に1千万円ずつ生前贈与をすることを母親が提案したことがあります。
これなら親が小遣いをくれたようなもので、私は心置きなくもらうことができます。
結局は遺産は基本的に長男が継ぐべきという考え方の父親に反対されこの提案は却下されました。
いわば遺産の大半を長男の私に譲ると言っているわけなのですが、私としては今の1千万円のほうが良かったなあと密かに思っています。
実際に相続するときは禍根を残さないように兄弟で均等に分けるつもりです。
それなりに兄弟仲良くしているので死ぬまで仲良くしていたいですし。

リタイア計画は別に会社の事業でもないので本人が納得できるものを立てるだけのことです。
そこに後ろめたさを感じたくないし、堂々と自分の力でリタイアを成し遂げると言う自己満足も大事です。
私は遺産は資金計画に入れないでおいて、実際に相続してから両親に感謝して自分の資金に組み入れたいと思います。


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[ 2013/08/24 13:02 ] アーリーリタイア | TB(0) | CM(11)

2013年7月のお奨め本

2013年7月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・ワイルド・ソウル(垣根 涼介)

戦後、日本政府の募集でブラジルに渡った移民たち。
しかし、割り当てられた土地はとても農業ができるようなところではなく、移民たちは極貧の生活を強いられ絶望を抱え死んでいきます。
夢のような生活と騙し、移民の窮状に対して何の対策もしなかった日本政府と外務省。
時を経て、彼らへの復讐計画が始まります。

久しぶりに私の好きなタイプのストーリーでがつんときた小説です。
ハードボイルドな要素、次の展開が待ちきれなくなる感覚、特に下巻の躍動感溢れる展開、重苦しい話を中和する陽気な主人公。
面白いです。これだけ筆力のある作家に出会ったのは久しぶりのように思えます。

日本政府への復讐という無茶な計画の結末をどうするのかと思っていましたが、納得できる後味の良いものでした。
重いテーマでありながらエンタメ小説としての面白さを存分に発揮している一級の作品です。




・寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁 (島田 荘司)

マンションの浴室で顔の皮をはがされた若い女の死体が発見されます。
しかし、死亡推定時刻に被害者は寝台特急の「はやぶさ」に乗車していることが明らかになります。
「はやぶさ」に乗車していた人物と被害者は本当に同一人物なのか。
吉敷竹史シリーズの第一弾です。

島田荘司が書くと電車ミステリもこんなに面白くなるのかとうならされます。
どうしても御手洗シリーズのド派手さ、怪奇性の印象が強すぎて、島田がこのようなベーシックなミステリを書く必要があるのかと思う人も多いと思います。
しかし、島田が書くとベーシックなミステリでもトリックが練りに練られて、その鮮やかさには感嘆してしまいます。
最後の展開は不満だったのですが、島田荘司やはり恐るべしと思わされる作品です。




・社会人類学入門―異民族の世界(ジョイ・ヘンドリー)

イギリス人の女性学者による人類学の入門書。
贈与、呪術、儀礼、宗教、法、家族など人類学のキーワードとその事例が要領よくコンパクトにまとまっています。
著者は日本でのフィールドワークが豊富なため、日本の事例が多く取り上げられているので日本人には興味深いでしょう。
しかし、この本では人類学の面白さはあまり伝わらないかもしれません。
やはり人類学の面白さは個々の研究事例を読むのが一番よく分かると思います。

人類学はどういう視点から社会を見るのかということは概観できると思いますし、脚注、訳注がためになり、良い読書案内にもなる良書だと思います。



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[ 2013/08/18 12:40 ] 今月のお奨め本 | TB(0) | CM(0)
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