人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

異次元の世界に入ったあとに戻って来ることはできるのか

確かに日銀の新しい政策はすさまじいものでした。
本当に異次元の世界に入ってしまったと言ってよいでしょう。

月に7兆円以上の国債を買うなんてことを日銀がしてしまうのです。
年間90兆円ほどというと日本の国家予算です。
日銀が強引に国債を買ってしまうのですから、国債市場から溢れたマネーのいくらかは株や外国資産へと向かうしかありません。
円安が進み、日本株が上昇するのも当たり前です。

とうとう日本は経済危機でもない状況で国家が市場をコントロールする国となってしまいました。
市場の価格形成機能を歪めてしまい、正しい価格は国家が決めるというのです。

果たしてこんな政策がうまく行くのでしょうか。
私は以下の点からかなり懐疑的です。

・円安が企業収益に結びつくのか
円安が進んだとしても昔と比べて円安メリットを享受できる企業は減っていますし、現在の海外移転は必ずしも為替レートだけの問題ではなくなっています。
そうすると円安による輸入コストが帳消しにしてしまうか、あるいは輸入コストのほうが大きくなる可能性もあります。

・本当に賃上げが進んで消費が増大するのか
もし企業収益が伸びないとすると賃上げも進みません。
賃上げできるのは一部の業績好調の企業だけです。
そうすると国民負担の増加や輸入コスト増により実質所得の低下は免れないでしょう。
財政の悪化がますます進みそうな状況では消費よりは貯蓄に励みそうです。
株高による資産効果からの消費の増大も限定的だと思います。

・民間の金融資産構成の変更が企業への貸し出しに向かってくれるのか
日銀が民間から国債を吸い上げ代わりに民間は現金を持ちます。
現金のままでは収益を生まないので、リスク資産を購入するか企業に貸し出すかになります。
しかし企業業績が良くなり設備投資を増やさない限りは貸し出しを増やすのは難しそうです。
リスクを取って中小企業への貸し出しも難しいでしょう。
だからこそリスク資産に向かって円安や株高も進みそうなのですが、これはバブルへの道です。

私はうまく行く可能性もないとは思っていません。

・期待が現実化する
経済を考えるとき人々の期待はばかにはできません。
このユーフォリアが投資家だけでなく国民に行き渡ることにより、消費と設備投資の好循環が生まれる可能性もあります。
しかし不安だらけの国の状況では期待が不安を上回るとはあまり思えません。

・お祭り騒ぎのうちに構造改革を一気に進める
私はこれに期待したいです。
金融政策ではなく構造改革で潜在成長力を上げるべきと私は考えています。
しかし実際は既得権益が強すぎることやシルバー民主主義により構造改革や財政規律を保つのはかなり難しいです。
それなら一旦金融緩和でバズーカ砲を打っておいて政権の支持率が高いときに構造改革を一気に進めるというのは戦略としてはありかもしれません。
例えばTPPの参加が規定路線になろうとしています。
JRやNTTの民営化でパラダイムが変わったように、農業ももしかすると金食い虫から付加価値を生み出す産業へと変わるかもしれません。

さて異次元の金融緩和に突入した後で戻ってこれるのでしょうか。
私はこれが一番怖いと思います。

私は財政危機が表面化するまではインフレ率は2%にならないと思っていますが、実際になったとします。
リフレ派と称する人たちはインフレ率が2%になれば金融緩和を止めればいいと言います。
本当にそんなことが可能なのでしょうか。

これから日銀は月に7兆円もの強烈なモルヒネを打ち続けることになるのです。
緩和政策をやめるとは国債の購入額を減らすということです。
もし国債の発行額が現在と変わらないとすると大きな買い手がなくなるので、売りが売りを呼び強烈な国債価格の下落が始まります。
そうすると国債の発行は難しくなり、銀行は経営不安となり金融システム不安が起こるでしょう。
もし2%に達した状態で緩和を維持するとインフレ率の上昇は止まらないでしょう。
このときに本来の意味でのインフレターゲットを日銀は守れるのでしょうか。

さてどっちに転ぶのか。
退屈な日常を生きる私には一つの知的な楽しみです。

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[ 2013/04/07 18:41 ] 雑感 | TB(-) | CM(4)
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