人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。
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2012年12月のお奨め本

2012年12月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・水晶のピラミッド (島田荘司)

ピラミッドを巡って時空を超える物語が展開されます。
基本的には殺人事件が発生しそれを御手洗が解決するというものですが、この展開に入るまでかなり長いです。
そのため御手洗の活躍が短すぎて少々欲求不満が残ります。
これは他の御手洗シリーズにも言えるのですが、御手洗がスーパーマンのような天才で推理の過程が短くなってしまうのです。
しかしさすが島田荘司です。
何とも豪快なトリックには飽きれるほどです。
一体どうやったらこんなことを思いつくのでしょうか。




・哲学入門一歩前-モノからコトヘ (廣松渉)

難解で知られる著者ですが、最も読みやすいと自身で述べているようにそれほどは難しくないです。
しかし内容は哲学の基本中の基本を深く展開しており読み応えがあります。
主なテーマは以下です。

人がモノを認識するときには対象→感覚器官→意識というような経路をたどりますが、この対象と意識にある断絶をどう考えればよいかを考えます。
本当に対象が存在していると人は確信できるのでしょうか、脳が嘘をつくという研究事例はいくらでもある現在では特に疑わしいことです。

もう一つは唯名論と実在論の問題です。
現代の人にとっては唯名論が実感として分かりやすいと思います。
名のないモノを帰納的に分類し名づけていくのが自然だと思うのですが、しかしそもそも分類するということは実在する概念が存在しないと不可能にも思えます。
現代では実在論がかなり復権しているように思えますが、最近私は脳そのものに概念を認識する回路が埋め込まれているのではないかと考えています。

たまに基本に立ち返るために読み直したい一冊です。





・老子

老子は個人の生き方と国家のあり方の両方に無為自然の道を説きます。
しかしこのような思想は役に立つのでしょうか。
少なくとも国家に無為自然の道はあまりにも現実離れです。
個人、特に挫折をした人や無名に生きる人には心を癒してくれるかもしれませんし、処世術となるかもしれません。
無理をしたくない、人と比較することなく自分らしさを保ちたいという欲求を人は普遍的に持っており、そのため本書は2000年にわたって読み継がれてきたのでしょう。

しかし、老子の言葉を素直に受け取ってもいけません。
どんな人間でも欲と無欲の両方を持っており、どんな聖人君子も欲を持っていないことはあり得ません。
自分の欲を隠すため、あるいは相手を制御下に置くために無為自然の道が説かれてきた面もあります。

古典というのはその文明を画するような思想が詰め込まれています。
なぜ老子が生まれてきたのか、そしてどうして読み継がれているのかを考えることが大切です。




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[ 2013/01/19 14:19 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(2)
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