人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。
月別アーカイブ  [ 2012年11月 ] 

2012年10月のお奨め本

2012年10月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・神々の山嶺(夢枕 獏)

エベレストの登山隊に同行したカメラマンの深町はカトマンズの店で古いカメラを見つけます。
そのカメラがきっかけで消息が分からなくなっていた伝説的な登山家である羽生に出会い、彼の人生を追いかけていくことになります。
久しぶりに重厚感溢れるど真ん中の小説を読みました。
登攀しているときの描写には本当に引き込まれてしまいページをめくるのがもどかしくなるほどです。
山岳小説は当然山を登る描写が多くなるのですが、ここの描写力は相当に書き手の力量を要求してくるのではないでしょうか。
著者があとがきで全てを出し尽くしたと言い切るのもうなずけます。



・邪馬台国はどこですか? (鯨 統一郎)

歴史の常識に挑む奇想天外な珍説がとあるバーで繰り広げられる小説です。
これは面白いです。
どこまで事実でどこからがフィクションやユーモアであるかよく分からなくなりますが、よくもここまで色々と考えるなあと感心させられます。
特に感心させられたのは邪馬台国と聖徳太子の話です。
論理的、史実的な妥当性はともかく、歴史のロマンを感じさせてくれるような珍説です。
惜しむらくは登場人物たちです。
珍説に純粋な学問的見地からの反論が期待される大学の研究者がまともな反論をしていません。
特に新進気鋭の女性研究者が何か中学生レベルにしか思えません。
ユーモア小説なので真面目すぎる検証も必要ないかと思いますが、もう少し議論の展開方法を考えて欲しかったと思います。



・中世の覚醒(リチャード・E. ルーベンスタイン)

中世におけるアリストテレスの再発見をテーマに、アリストテレスから三位一体の議論、アベラール、トマス・アクィナスを経てオッカムまでを叙述しています。
信仰と理性の調和を目指しながらもついにはこれらの分離に至るまでの神学者たちの格闘をこれほど分かりやすく、人間ドラマを交えながら描く著者には脱帽します。
そして現代こそ信仰と理性の調和が目指されなければならないと言う著者の結論は全く同意します。
少し前提知識があったほうが良いかとは思いますが、難解なところはなくすらすら読み進めることができるでしょう。
翻訳も良いと思います。





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[ 2012/11/11 11:55 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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