人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

経済学

私は学生時代に基本的なことを勉強しただけですが経済学は非常に面白い分野です。
古典派、ケインズ派、新古典派などと様々な潮流があり、どこに焦点をあてるかによって様々な議論があります。
行動経済学やゲーム理論といった、伝統的な経済学とは少し観点が違う分野も生まれてきました。
一方でマルクス経済学のような世界史に大きな影響を与えた分野もあります。
このような色々な視点から議論されてきたのが面白さの一つだと思います。

中谷やマンキューなどのマクロ経済学の教科書であればそれほど難しくなく経済学の基本と面白さを勉強できるのでお奨めです。
もう少しレベルの高いものとしてはサックス、ラーレンの教科書が良いでしょう。
これ以上のレベルとなると大学院レベルとなり動学分析の世界に入るので、一般の人には必要ないかと思います。
動学モデルの考え方を知っておくぐらいでよいでしょう。
私もそこまでは勉強していません。

経済とは人間生活の基本中の基本なので高校生の授業に加えるべきなのではと思っています。
大学受験に経済学を入れておけば高校生の内に経済学の基本を身につけることができます。
古文や漢文などが受験科目にあって経済学は何故ないのか不思議でなりません。

国民に経済学の基本的な知識がないために政治家やメディアには目を疑うような経済政策が氾濫するのだと思います。
デフレと不況の区別が分からず、とにかく日銀のせいにしたり、成長戦略とか言う怪しげな魔法を唱えてみたりするのはそれを受容してしまう国民が存在するからでしょう。
経済学者の常識と政治家や国民の常識がここまで乖離している分野は少ないのではないでしょうか。

大学入試では経済学を必須科目として欲しいものです。
また政治家にも経済学やその他の分野に関する試験を課して欲しいです。
基本知識としてはキャリア公務員の試験レベルで十分だと思うので、これをそのまま利用してはどうでしょうか。

自然科学は実験により同一の状況を再現することがある程度可能な学問です。
しかし経済学は数学的な議論が可能ではありますが、同一の状況で実験することは不可能です。
社会生活には条件となる変数が無数にあり、その一つ一つの変数を確定するのも困難です。

そのため経済政策には確実なものがありません。
できることと言えば限られた人的、物的資源を効率的に配分システムや安定した金融システムを作るぐらいです。
これらは非常に地道で即効性もありません。
残念ながら政治家やメディアが言うような魔法は存在しません。
そんなものがあれば経済に関するほとんどの問題がとっくに解決しています。

しかし、専門的に勉強する人の中にも魔法が存在すると信じる人がいます。
おそらく数式を使う学問だからではないでしょうか。
数式を使うことで経済を制御できるのではないかと言う錯覚を起こす人は結構多いです。
経済学や自然科学に限らず専門家と言うのはある特定の制限された条件でのみ成立することをいきなり条件を超えて全体にも適用可能だと錯覚してしまう人はかなりいます。
専門家でもトンデモ系の人がいるのはそのためではないかと思います。

そういう専門家と政治家、メディア、そして魔法を求める国民が結びついてしまうのではないでしょうか。
防災で200兆円などという京大教授がいるのは知っていましたが、最近エコノミストでこの人の記事を読んで唖然としました。
頭の良い人が都合の良い議論だけを探し出して絶対視してしまう典型なのではないでしょうか。
しかし政治家とメディアは地味に頑張るしかないなどという意見は金にならないので、こういう専門家を起用したがるのでしょう。

経済学が教えてくれることはただ一つのことだけです。
「経済を直接コントロールはできなくても経済成長のための良い土壌を作ることはできるので、地道に土地を耕して頑張りなさい」ということです。
個人単位ではばくちをうってもよいですが、国家レベルではばくちをしてはいけません。

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[ 2012/07/08 14:43 ] 雑感 | TB(-) | CM(0)

2012年7月のお奨め本

2012年6月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・双頭の悪魔(有栖川有栖)

学生アリスシリーズの3作目。
とある山奥に孤立する芸術村に潜入したアリスたち推理研の一行が、大雨で橋が崩壊したために芸術村とその外の村に分断されてしまいます。
相互に行き来できなくなった双方の村で殺人事件が起こってしまい、物語は平行して語られていきます。
舞台設定がよくできていますし、トリックも分かりやすくかつ面白いと思います。
初心者でも楽しめる本格系の良作でしょう。
読者への挑戦状が3回出てきますが、私はこの手の挑戦状に受けてたったことがありません。
タイトルはいまひとつで、タイトルから受ける印象とは全く異なる内容だと思います。

双頭の悪魔 (創元推理文庫)双頭の悪魔 (創元推理文庫)
(1999/04)
有栖川 有栖

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・冒険商人シャルダン(羽田正)

17世紀に商人としてペルシア、インドを旅し、当時として一級のペルシアに関する著作を書いたフランス人シャルダンの生涯を描いています。
昔の人の異文化体験というのは本当にわくわくします。
シャルダンが見たペルシアの文化やプロテスタントであったシャルダンがイギリスに亡命する経緯、著者のシャルダンに関する資料との出会いなどが読みどころです。
ただシャルダンという人物の魅力が十分に表現されていないように思えました。
学者が書くとどうも無味乾燥になってしまうからでしょうか。

冒険商人シャルダン (講談社学術文庫)冒険商人シャルダン (講談社学術文庫)
(2010/11/11)
羽田 正

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・イスラームの国家と王権(佐藤 次高)

16世紀頃までのイスラームの史的展開を踏まえつつ、イスラームの中で国家や王権がどういった存在だったのかを論じています。
と言っても体系的に論じられているわけではなく、国家と王権の観点を中心にイスラーム史をなぞる程度です。
国家や王権と宗教の関係、聖俗の関係、宗教と部族、国家への帰属意識の問題などもっと突っ込んだ議論を期待したのですが。
それでもイスラーム史を新書などで読んだ人がもう少し詳しい本を読みたいときには良い本だと思います。
それぞれの論考もよく書かれています。

イスラームの国家と王権 (世界歴史選書)イスラームの国家と王権 (世界歴史選書)
(2004/01/25)
佐藤 次高

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[ 2012/07/03 20:28 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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