人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2019年3月のお奨め本

2019年3月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ダン アリエリー)

行動経済学の入門書です。
体型的な教科書ではなくて、ユニークな実験を通して人間の行動の不合理さ、面白さを教えてくれます。

投資でよく言われることに、人は損失の痛みを重視するというのがあります。
本書の実験ではものの見事に人間はそのような行動を示しています。
それと関連していかに無料に弱いか、あるいはボランティアの頼まれごとと安い報酬の仕事の違い、金額によるプラセボ効果の違いなど多くの事例を紹介しています。

これを読んでいるといかに人間は不合理なのかと思ってしまいます。
けれどもそれはタイトルにもあるように予想された不合理ですし、あるいは視点を変えると不合理ではなく合理であるともいえます。
ですので、不合理というよりは人間はどのように行動するか、そして既存の合理的人間を前提とした経済学と、実際の人間行動の差をどのように埋めていくかというのが行動経済学なのでしょう。

経済学というよりはマーケティングの本という印象ですが、行動経済学や心理学に興味ある人には楽しく読める入門書としてお薦めです。




・東国武将たちの戦国史: 「軍事」的視点から読み解く人物と作戦(西股 総生)

長尾景春の乱から北条の滅亡までをキーマンとなる人物を取り上げなら東国の戦国時代の歴史を解説しています。

戦国大名のはしりと言える太田道灌、官僚機構を整備した北条氏直、いわゆる下克上の典型である長尾為景、山本勘助の実像、その他上杉謙信、武田信玄、武田勝頼など戦国の有名人がどのような役割を果たしたか、時代小説レベルの知識しかない私には新鮮でした。
武田勝頼はそれほど無能ではなかったし、長篠の戦が致命的な敗北でもなかったこと、上杉謙信はイメージの義の人と見てしまうと見誤ること、小田原征伐が圧倒的な秀吉の勝利でもなかったことなど、面白い話ばかりです。

著者独自の主張も多く含まれているようですが、改めて戦国時代の面白さを教えてくれる本で万人にお薦めです。




・特捜部Q ―檻の中の女― (ユッシ・エーズラ・オールスン)

未解決の重大事件を扱うために新設された特捜部Q。
捜査への情熱を失いつつあったカールに特捜部は任されますが、部下はシリアからの移民のアサドのみでした。
最初に取り組むことになった事件は有力政治家失踪事件で、海上での事故か自殺であろうと思われていたのが、カールとアサドは少しずつ不審な点を見つけて真実へと近づいていきます。

デンマークの警察小説です。
北欧のミステリはなかなか良質なものが多く、日本でも翻訳が多く出版されており嬉しいことです。
本作は地道に操作を重ねて真実にたどり着いていくという王道で良質な警察小説です。
どんでん返しなどはないですが、タイムリミット的なものもありハラハラドキドキ感と捜査の展開の面白さをとても楽しめました。
キャラ立ちが少し物足りない感はありますが、意外なところで活躍するちょっと変人のアサドがいい味を出しています。




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[ 2019/04/09 17:59 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)

2019年2月のお奨め本

2019年2月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・原子爆弾―その理論と歴史 (山田 克哉 )

人類はいかにして原子爆弾を発明したのか。
原子核を発見しその仕組みを探求してきた物理学者たちの研究の歩みと原子爆弾の開発の歴史をたどります。

面白すぎます。
著名な研究者たちの原子核の研究をエピソードを交えながらとても明快に解説しています。
前半は主に理論的なことで、後半は実際に原子爆弾を作るのに必要な技術的なことやボトルネックとなったことなどがテーマです。

それにしても人類の叡智には感動です。
目には見えない原子のモデル解明して、さらに原子核の振舞いも研究し、そこから人工元素を作り出し、核分裂によってとてつもないエネルギーを取り出せることを発見し・・・、と次々に恐ろしいほどのことを短期間でやってのけています。
今世紀も遺伝子操作だの超弦理論だの、人類はまだまだ高みに昇っているようです。

原子核関連の物理学の勉強になりますし、原子爆弾の仕組みや、開発の歴史の勉強にもなります。
是非手に取ってほしい一冊です。
簡単というほどではありませんが、物理を学び始めた高校生でも読めると思います。



・〈私〉の哲学を哲学する(永井 均,入不二 基義,上野 修,青山 拓央)

永井均の独在論について開かれたシンポジウムでの4人の哲学者の講演、討議、後日の論文からなります。

永井均の独財論、特に「なぜ意識は実在しないのか」で展開している内容についてが主な議論です。
永井が展開する第一次内包(経験的)、第0次内包(文脈の除去)、第二次内包(客観的記述)の在り方がメインでした。
入不二はマイナス内包、無内包へと議論を広げますが、主にこの二人が中心になっています。

このようなシンポジウムの講演、討議、講演後の論文と追いかけるとリアルタイムで哲学者たちがどのように考えているのかを知れて興味深いです。
4人が出ているのでどうしても議論を引っ張る役の人、鋭い突っ込みを入れる人、なかなか思考が追い付かない人がいたりします。
こういう部分は一般の人は普段なかなか見えないところではないでしょうか。
4人の視点の在り方や哲学的スタンス、興味の多様性を感じられ、普通の哲学本とは異なる面白さがありました。

内容はマニアックですし、高度なので興味がないとさっぱり分からないと思いますが、哲学に興味のある人にはお薦めです。




・プリンセス・トヨトミ (万城目 学)

会計検査院から大阪府に3人の検査官がやってきます。
検査対象にリストされていたOJOという団体を検査することになりますが、この団体にはとてつもない秘密が隠されていました。
なんとこの団体の実態は400年豊臣の末裔を守る大阪国だったのです。
そして大阪国の存亡の危機に大阪国の市民が立ち上がります。

大阪の日常の描写を交えて著者らしいユーモアあふれるストーリーです。
大阪国が存在していたという大掛かりな話の割には結末としては小さくまとまり過ぎた印象ですが、著者の大阪愛を感じられるストーリーの読後感が良いです。



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[ 2019/03/12 17:38 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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