人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2018年8月のお奨め本

2018年8月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・人類はどこから来て,どこへ行くのか(エドワード・O. ウィルソン )

アリやハチの社会性昆虫の議論を手掛かりに人類の進化を考えるユニークな本です。
人類の社会性や行動を進化論的に考えつつ、その手掛かりとしてその他の生物の社会性に関する記述が混在して解説が進んでいきます。
そのため読者にとっては話がこんがらがったり、どうつながっているのか分かりにくいとこがあります。

社会性というテーマに絞って人類の進化を議論するのはとてもエキサイティングで面白いです。
社会的な生物になったことによって人類が地球上で支配者になりましたが、同じく社会的な生物であるアリも地球の支配者と言っていいほど様々なところに大量に生息しています。
アリやハチを研究することで人類のことも理解できるというのは言い過ぎではないと思わされました。
生物が社会性を獲得するためにはどのような進化のプロセスが必要なのか。
ヒトの宗教や性的な行動などは自然選択から考えられるのかなど興味深い議論がてんこ盛りです。

また、血縁淘汰説の全否定やワーカーを女王アリの表現型の延長とみなすスタンスを著者はとっています。
読んでいるときにここに疑問を持ってしまう人がいると思いますが、日本人研究者による解説が最後についてあります。
ここのところは少々著者の極端な論説のように思いました。

多くのテーマを盛り込んでいるため説明が足りなかったり、著者自身の意見が強く出過ぎているところもありますが、アリなどの社会性昆虫と比較して人類の進化を考えるというのはとても面白くお薦めの本です。



・経済史 -- いまを知り,未来を生きるために(小野塚 知二 )

以下の三つの問いを立てて人類の経済の歴史を追っていきます。
・ 経済はなぜ成長するのか?
・人類はいかにして十万年もの間、生存してきたのか?
・経済は実際にいかに成長してきたのか?

経済史でまとまった教科書はあまりない印象ですが、大学の教科書として使われることを意識して、東大での経済史の講義などをもとに書かれた手ごろな入門書でよくまとまっています。
レベル的にも低すぎず専門的過ぎずで大学生や社会人にとってはちょうどいいと思います。

近世から産業革命あたりはとても面白いです。
特に産業革命をどのように捉えるべきかや分業に関する記述はなるほどと思わされます。
が、現代にかけてくると少々著者の想いみたいなものが出てきて少ししんどくなりました。

正直、個々の点では古くささや疑問に思うことも多いのですが、産業革命前後の記述は非常に面白いですし、経済史全体を述べた入門書としてはこれまで読んだ中で一番良い本でした。

経済史の本を読んでみたい場合にはまずは本書がお薦めです。



・ブラックライト(スティーヴン ハンター )

現在は田舎町で暮らすベトナム戦争でスナイパーだったスワガーの元にラスという青年が訪れます。
彼はスワガーが少年の頃に殉職した警官の父について調べようとしていました。
スワガーがラスと父親の事件について調べ始めると父が殉職した事件には隠された真実があるらしいことに気づきます。
そして彼らを妨害しようとする者たちと戦いながら、父親の死の真実を追っていきます。

スワガーに襲い掛かる刺客を返り討ちにするシーンは爽快でかっこいいです。
スワガーが狩りモードに入った時の無敵ぶりがこのシリーズの読みどころでしょう。
また40年前の事件が徐々に明らかになっていくときも名スナイパーであるスワガーらしい着眼点から解き明かされていきます。
スワガーとその父、ラスとその父という父と息子というテーマもあってか、スワガーの無敵の強さを描くシーンが少ないのが少々残念でした。






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[ 2018/09/13 12:44 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)

2018年7月のお奨め本

2018年7月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。


・アダム・スミスとその時代(ニコラス フィリップソン)

アダム・スミスの評伝です。
とは言ってもスミスは文書類を残さなかった人でこの頃の思想家としては珍しく書簡も少ないそうです。
遺言でも草稿やメモなどの書類の類はすべて燃やすように指示しています。
本書ではスミスの思想がどのような時代背景や哲学者の交わりから生まれてきたのかを解説しています。
特にスミスが影響を受けたハチソンやヒュームの思想の関係は詳しく書かれています。
他にはフランス滞在時のケネーら重農主義者との交流なども「国富論」の考え方を形成するの重要だったようです。

スミスは至極真面目で実直な人だったようです。
大学の改革に尽力し学生との交わりを楽しむ人であってルソーのような破天荒なエピソードが皆無です。
天才にありがちな何かに没頭してしまって周りからは愚鈍に見えてしまうと言ったようなことはあったようですが。
また生涯母親を大切にして独身であり恋愛関係にあった女性の存在も知られていません。

日本ではスミスの代表作は「国富論」でしょうが、スミスはもちろん人間学を目指していたのであって彼自身は代表作を「道徳感情論」と考えてより完成度を高めるために改訂を重ねています。
晩年は芸術に関する本を書こうとしていましたがそれが実現しなかったのは本当に残念なことです。
現実の社会に根差した着実な哲学体系を目指したスミスとスミスと関わりのあった土地や人々の話はまるで18世紀のスコットランドの息吹を感じるようでした。
少々分厚いですが当時のスコットランドの思想に興味がある人にはお薦めです。



・光とは何か (江馬 一弘)

光の基本的な解説をした入門書です。
高校生から専門外の大学生向けのレベルです。

身近で見られる光の現象の仕組みを解説しながら光とはどういうものかを教えてくれるので楽しく読み進めることができます。
光の屈折から始まり虹や鏡、蜃気楼、光ディスク、光ケーブルなどが例として挙げられています。

複雑な物理的な現象については説明を割愛していますが、光がどうやって生まれるかなど物理的な説明も読者が躓かないレベルでの説明はあるのでミクロレベルでの理解も大まかにはできると思います。

光分野での研究の進展はわくわくするようなものばかりで、光を貯める光電池や光信号のままでスイッチする光ルータなどは特に面白そうで私が生きている間に実現しないかなあと思ってしまいます。




・ダスト (ヒュー・ハウイー)

WOOL、SHIFTに続く3部作の完結編です。
ネタバレになるのであまり書けませんが、WOOLで地下に伸びるサイロの世界と主人公のジュリエットの反乱が描かれ、SHIFTでサイロができることになった真相とその後の歴史、そして最後のDUSTでジュリエットの反乱の結末となります。
この三部作は独立していないので順番に読む必要があります。

サイロの世界の作りこみの面白さ、次が気になってしまい読む手が止まらないストーリー展開、テンポの良さなどどれをとっても良いです。
エンターテイメント系のSFでは必ず手に取ってほしい作品です。



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[ 2018/08/07 13:18 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(2)
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