人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2017年5月のお奨め本

2017年5月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・経済思想入門 (松原 隆一郎)

経済思想の入門書です。
前半は経済学の歴史をヒュームから解説しており、後半は貨幣やグローバリゼーションといったテーマごとの解説をしています。

それほど分量は多くないですが、代表的な経済学者を取り上げ背景となる社会状況からどのような学説が生まれたのを丁寧に解説しています。
経済学は例え理論でも学者の思想や社会背景を強く反映するものであることが分かるでしょう。
基本的な知識は必要ですが、読みやすいので躓くことなく読み進められると思います。
後半の各論は少し物足りなかったですが、各テーマについてどのように考えていけば良いかよくまとまっているので入門としては良いと思います。

内容は非常にオーソドックスですので復習や基本的な経済学の知識を学んでからの次の本としてお薦めです。




・プラグマティズム入門 (伊藤 邦武)

パース、ジェイムズ、デューイといった初期から戦後のクワイン、ローティ、パトナムの戦後の思想、そして現代のプラグマティズムまで射程に入れた入門書です。
入門書のレベルを少し超えているかもしれません。

素晴らしい本だと思います。
プラグマティズムを道具主義という訳語のイメージしか持たない人にはぜひ読んで欲しいです。
それまでの形而上学的な哲学の批判、特に反デカルトとして生まれたプラグマティズムは現代でも多様な展開を見せています。
真理や確実な知識といったものを考え直さなければならないのではないか。
普遍といったものはなく信念の体系でしかいないのか。
しかしそれでは単なる自国中心主義的な発想であり普遍的な信念がないとどのように前に進めるのか。
哲学の格闘はまだまだ終わらないようです。




・極大射程 (スティーヴン・ハンター )

ベトナム戦争で伝説的な実績を残した狙撃手スワガーは負傷して退役後は田舎で静かに過ごしていました。
ある時最新の弾丸の試射を依頼されますが、実際には別の仕事を依頼されることになります。
しかし仕事を引き受けたスワガーは巧妙に仕掛けられた罠にかかり命を落としかけます。
そしてスワガーの復讐が始まります。

いやあ、面白いです。
敵との頭脳戦、狙撃シーンのカッコよさ、スワガーの男っぷりと完全無欠ぐらいの強さ。
他の敵味方の登場人物もしっかりと存在感があります。
結末も爽快でした。
久しぶりにツボをつかれてしまいました。




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[ 2017/06/04 13:01 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)

2017年4月のお奨め本

2017年4月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・ロボットの心-7つの哲学物語 (柴田 正良)

ロボットに心は持てるのか。
ロボットに心を持たせようとしたら何が問題になるのか。
そんな難問を順序立てて解説しています。

哲学というよりは人間の認知機能とそれをロボットで実現しようとするソフトウェアの問題からの議論が大半です。
ロボットをより人間らしく見せるにはどのようなソフトウェア上の難問があるかをひとつづつ解決していくという流れです。
と言っても当然の現在の技術ではロボットが人間らしく振る舞えることなど不可能ですが。

著者はロボットは心を持てるという考えを支持します。
そしてクオリア(ありありとした感情)とは物理的基盤が実現できたのなら起きていることを推測するしかないということを述べています。
もしロボットが外見や会話、行動、すべてにおいて人間と変わりないところまでくればそれはやはり心が生じているとするしかないのでしょう。
人間でも他人が心を持つというのは推測でしかないのですから

入門書としてお薦めです。



・中国の誕生―東アジアの近代外交と国家形成―(岡本 隆司)

近代に入って中国は西欧に対して劣勢に立たされますが、その時に西欧と中国の国際秩序の概念に齟齬が生じます。
中国は朝貢体制とされる国際秩序を持っておりそれは強国である西欧列強が築き上げた国際法とは共存しにくい概念でした。
例えば中国は朝鮮の内政、外交には干渉しませんがそれでも属国とします。
政治的な支配をしていない以上は国際法からすればそれは完全な独立国でも中国からするとそうではありません。
本書では中国が東アジアで西欧や日本に押され、国際法と自らが考える国際秩序をすり合わせていかざるを得ない過程を資料から掘り起こしています。
主にベトナムを巡ってフランスと、琉球、台湾、朝鮮を巡って日本との交渉にかかわる資料を使っています。

かなり面白いです。
現代につながる中国が考える東アジアを巡る秩序の原点がこの時代なのでしょう。
ただし資料を使った細かい議論で一般向けとは言い難いです。




・ユダの覚醒(ジェームズ・ロリンズ)

シグマフォースのグレイ隊長のもとに傷を負った敵の組織ギルドのセイチャンが助けを求めてきます。
人類の危機が迫っているというセイチャンとともにマルコポーロにまつわる謎を解き明かすべくグレイはイスタンブールに飛びます。
一方インドネシア付近で謎の疫病が発生しその調査のためにシグマフォースからメンバーが派遣されていましたが、臨時の病院船がギルドに乗っ取られます。
人類の危機とはマルコポーロも遭遇した疫病の復活でした。
シグマフォースとギルドが病原菌とその治療法を巡って戦います。

シグマフォースシリーズの三作目です。
科学と歴史がミックスされた安定の面白さです。
今回は歴史の謎が少し弱いと思いましたが、疫病の仕組みのアイデアが良かったです。



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[ 2017/05/06 21:01 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(2)
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