人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

株高は続くよ、どこまでも

2月22日に34年振りに日経平均が高値を更新して史上最高値を記録しました。
証券業界の関係者や投資家たちは盛り上がっています。
生きているうちに高値を更新するとは思っていなかったなんて言う人もいます。

私も今年の株は期待できると思っていたし、もしかすると史上最高値も行くんじゃないかと思っていました。
それが多くのエコノミストもびっくりの2月での更新です。

天井を突破したおかげで40000円突破もそう時間がかからないでしょうし、年末の目標値を44000円程度に引き上げるエコノミストも出ています。
PERやPBRといった数値から見るとまだ割高とはいえないですし、来期の業績もポジティブなので期待は十分できると思います。
一方で今回の株高の原動力はやはり外国人投資家であり、世界の過剰流動性が逆回転した時の急落もありそうで難しいところです。
新NISAが始まって投資を始めた人も多いと思いますが、急落によって含み損を抱える人が増える可能性もあります。

34年前と言えば私は高校生で世の中のバブルを実感することはあまりありませんでした。
ただ我が家でも土地を買うかという話が出て家族で土地を見に行ったこともあったし、大企業の課長職であった父親の給料が結構高いなと思ったことがあります。
慎重な性格の両親は結局土地を買わなかったのですが、本当に買わなくてよかったです。

当時は土地と株が上がっていましたが、バブルと認識する人は非常に少なく色んな理屈をつけて正当化していました。
株価が下がってからもしばらくは事の重大さに気づくことがなかったほどです。
バブルと言えば華やかな時代で皆が浮かれていたイメージがあるかもしれません。
けれども土地と株が異常に上がっていたということは土地と株を持っている人やそれに関連するビジネスをしている人だけが美味しい思いをしていたということです。
確かにバブル期入社組は多くが大企業に入社して内定で旅行に連れて行ってもらったり、サラリーマンはそこそこ高収入で経費で飲み食いをしていました。
けれどもその程度であり、特に住宅の価格が上がったことは庶民の生活には大打撃でした。

そして今回も株高の一方でインフレのため実質賃金は2年連続で低下しています。
賃金が上がっているは主に大企業ですし、株高の恩恵を受けているのは当然のことながら投資を行っている人たちです。
一般庶民はインフレや将来の増税、年金や介護などの社会保障の水準の低下が待ち受けています。
株高自体は喜ばしいことですが、日本全体の復活とまでは言えずそれどころか日本の先行きは非常に暗いでしょう。
少子化、人手不足、膨張する国債の残高、日銀が抱える国債、民主主義と自由貿易の後退など難題はてんこ盛りなのに、改革のスピードは遅いです。
最近は企業も国や自治体も頑張っているところが増えているようにも思えますが、問題の深刻化のスピードに追い付けるように思えません。

株価が日本全体の国力や庶民の生活水準といつもリンクするとは限りません。
今回の株高は外国資金の流入が主役かもしれませんが、大企業の経営がここ数年明らかに変化したことにあると思います。
徐々に成果主義が浸透したり、収益率の低い事業を切り離したり、M&Aが盛んになってきました。
象徴的なのが日立だと思います。
あれだけの昭和な大企業が変わることができたというのは画期的だと思います。
個人的に経験した範囲でも若いころの大企業と現在の大企業では明らかに違います。
まあまだまだ変化のスピードが遅すぎて最近はバイトでイライラすることが多いですが。
ここ数年多くの大企業の検査不正などの不祥事が出ており、さらにはセクハラだのパワハラだの経費流用で退任する社長も目立ちます。
悪いニュースのように思えますが、こういうことが表に出てきたということは非常に良いことだと思います。
昔はこんなことは普通にあって硬直的で流動性の低い組織では自浄作用が全く働かなかったのですから。
私が子供の頃は普通にカラ出張とか横行していましたしね。
世代交代により古い価値観を持つ人が減っていることが大きいのかも知れません。
政治が変わってくれず、相も変わらずばら撒くことしか思いつかないのはまだまだ昭和世代が幅を利かせていることが原因の一つでしょう。

日本全体の先行きはあまり明るいものではありませんが、私自身は日本の将来はそこそこ明るいものと思っています。
矛盾するようですが、日本もどれだけ歩みが遅くとも失われた30年の間も成長してきてたし、科学技術の進歩の恩恵が行き渡ってきたという事実があるからです。
社会の進歩に合わせて自分も変化していけばその果実は得られるはずです。
普通の人が投資しやすい環境になってきたときに投資を少額でも始めていれば今回の株高で大きな利益を得てるはずです。
転職が容易になってきたときに自分の価値を高める努力と売り込む努力をしていれば収入は上がってきたはずです。
金融サービスやネット通販などのITを利用した低コストで品質の高いサービスを利用している人も生活のコスト削減と質の向上をはかれたはずです。
けれども不思議なことに政府が貯蓄から投資へと音頭をとっても投資をする人は限られていました。
転職が容易なIT業界でさえも一つの会社にとどまり、経験値が高まらずぬるま湯の中で平均よりは少し高いだけの給料に甘んじる人が大多数でした。
そしてITは怖いと言ってネット銀行、グーグル、メルカリ、楽天、ネットでの様々な便利で低コストな手続きなどを利用しない人も少なくありませんでした。
今だにマイナンバー制度すら迷走中です。

結局は自助努力をどれだけできるかで人生は決まってきます。
自助努力や自己責任がどうにも否定的な意味ばかりで使われている印象がありますが、これを前提にしないと社会が回るわけがありません。
そして自助努力をしてきた人であれば苦境に陥った時に社会がその人に援助することに反対する人はそうはいないでしょう。
自由な社会は自立した市民を大前提としないと成り立ちません。
自立した市民を大前提とするからこそ、ハンディがあるひとが自立できるような手伝いを社会はできるのだと思います。

34年前の日経平均の最高値の時と今回では時価総額上位の企業の顔触れは大きく変わりました。
1989年当時は銀行ばかりでかろうじてトヨタとNTT、東京電力が上位に入っていますが、NTTや東京電力は半分公的な企業でしょう。
それが今では銀行は三菱UFJだけで、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、キーエンス、ソフトバンクGなどが上位に入っています。
NTTはドコモを抱えていますし巨大インフラ企業なので生き残っているのは分かりますが、トヨタが一位になったのはトヨタの経営努力が如何に素晴らしかったかでしょう。
日経平均の構成銘柄も時価総額上位銘柄も変わりましたが、これは企業が変化し進化してきたことの証です。
次の30年間は少子高齢化が進み社会の活力も減っていくのかもしれませんが、企業はそれに打ち勝ち海外でも稼いでほしいものです。
またアメリカや中国と比べると日本を代表する企業の時価総額はずいぶん小粒になりましたが、再び世界的な大企業が育ってほしいです。

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[ 2024/02/24 16:59 ] 資産運用 | TB(-) | CM(0)

2024年1月のお奨め本

・ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世 (菊池 良生)

現在のドイツの源流とも言える神聖ローマ帝国の皇帝となったオットー1世が東フランクをまとめ上げて戴冠される生涯を追います。

オットー1世が兄弟や息子の反乱の鎮圧、ハンガリーとの戦争、西フランクへの外交政策などを経て東フランクでの王の地位を高めていく過程が簡潔に分かりやすくまとめられています。
オットー1世は東フランクを安定させると常に混乱しているイタリアへの介入するようになり最終的に神聖ローマ皇帝として戴冠されます。
このイタリアへの長年にわたる遠征はバラバラであった東フランクに一体性を持たせ、当時は全くなかったドイツ人という民族の源流となります。
10世紀の東フランクは神聖ローマ皇帝の戴冠やスラブへのキリスト教の布教、ローマ復活の夢、逆の方向へのナショナルな意識の萌芽など非常に面白い時代、地域だと思います。
オットー三世の本と合わせて読むことよりこの時代の理解が深まります。
2023年1月のお奨め本

・アダム・スミス 共感の経済学(ジェシー・ノーマン)

アダムスミスの評伝ですが、前半はスミスの生涯を描き、後半はスミスの思想と現在に至るまで及ぼしている影響について述べています。

アダムスミスと言えば国富論であり、見えざる手です。
現在でもアダムスミスは近代的な経済学の祖とたたえられ、論文などに引用されたり講演などでアダムスミスが引き合いに出されます。
けれども当然のことながら、アダムスミスが生きた時代は現在のような経済学ではありません。
まだ政治学と経済学は分離しておらずもっというとアダムスミスは哲学者であったというほうが正しいでしょう。
国富論と並ぶ重要な著作である道徳感情論やその他の未完となった著作を検討しないと全体像は見えません。
国富論はあくまでアダムスミスの全体の思想の一つでしかなく、特に公刊され改訂も重ねられた道徳感情論と合わせて理解する必要があります。

アダムスミスはあくまで社会的存在である人を構成する社会について考えてきた人です。
人間の共感や中立的な観察者という概念で社会全体を考察しており、それらの成果が公刊された著作やほかの積み重ねた思想となります。
なので国富論や近代経済学の父といった狭い視野で見るのではなく、社会学や心理学あるいは行動経済学的な射程も含めた思想家として理解される必要があると著者は考えています。
また、奴隷制や貧富の格差の改善、女性の地位向上といったことにも深い関心を持っていたアダムスミスの社会的な思想と関心はまだまだ現代にも非常に有益なものだと思います。

評伝の部分はアダムスミスの他の評伝とそれほど変わらないのですが、アダムスミスの思想の中での国富論の位置づけなど思想全体の解説は非常の面白いですし優れています。

・戦場のアリス (ケイト クイン)

第二次大戦後に戦争中にフランスで行方不明になったいとこを探すシャーリーはロンドンのイヴという女性を訪ねます。
シャーリーと元スパイだったイヴ、イヴの雇人シャーリーの三人はシャーリーのいとこを探す旅に出発します。
シャーリーと二人の冒険の旅とイヴのスパイ生活が交互に進行していきます。

舞台設定が素晴らしいです。
第一次世界大戦で活躍した実在の人物アリスを物語の軸としており、事件やエピソード、その他の登場人物も実在の人物が多数登場します。
歴史小説ではないのですが、ベースとしてこの時代のエピソードが物語の面白さを増しています。
大学生で人生に傷を負ったシャーリーの大人としての成長、イブとフィンの再生物語としても非常に面白いし、ミステリ的な要素もうまく嵌まっています。
若干可哀想なシーンなどもあるのですが、恋物語も需要な要素になっているなどハードな内容でないので気持ちよく読めて読後感も前向きで爽やかな感じでした。
重厚感のある作品が好きな私ですが、この作品はこれぐらいの雰囲気だからこそ面白く読めたように思います。

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[ 2024/02/17 16:02 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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