人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2021年9月のお奨め本

・ラファエロ―ルネサンスの天才芸術家 (深田 麻里亜)

ルネサンスの三巨匠の1人、ラファエロの生涯と作品を解説しています。
ラファエロはその優美な絵画のイメージとは異なり、多くの弟子を率いる工房のトップとして絵画制作や装飾に腕を振るい、宮廷人と交流し、古代芸術の研究にもいそしみ、建築の設計も行うというエネルギッシュな人だったようです。
本書では古代ギリシャの芸術やダヴィンチやミケランジェロなどの他の芸術家から受けた影響とラファエロの作品の変遷を詳しく解説しています。
構図や表現方法がどのように影響を受けているか写真で解説してくれているので非常に分かりやすいです。
これほどはっきりと他の芸術家の構図や表現を利用しているとは思いませんでした。

カラー写真による綺麗な絵とともにラファエロの生涯と作品に触れることができる楽しく読める本です。



・現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (カーステン・ヘルマン-ピラート, イヴァン・ボルディレフ )

現代の経済学の限界や方法論的な弱点を問い、ヘーゲル哲学の観点から経済学の再構築を目指した本です。

現代経済学とヘーゲルなんて接点なぞどこにもないのではないかと思いつつ読んでみました。
現代の経済学は現実の世界を十分に説明することはできていません。
改善はされているとは言え、いまだに合理的な主体がベースとならざるを得ないですし、行動経済学のような分野も個々のケースの説明に終始しているように見えます。
そこで著者たちはヘーゲルの人間と社会、自然との相互の影響をベースにした市民社会の分析という観点から経済学を構築しようとします。
個人の合理的選択も結局は社会の制度下にあるものですし、貿易論も比較優位といった理論よりは市場アクセス権といった言葉で考えたほうが現実社会の経済に迫れるのかもしれません。

数学を駆使した経済モデルがどれほど現実の経済政策などに役立てることができるのか、行動経済学のような面白くはあるけれど経済全体を論じられるものではないという不満を若干持っていましたが、著者たちのような観点での制度分析には私はまだ興味を持てそうです。

かなり難しく若干冗長ですので、読者を選ぶ本だと思います。
けれど経済学に興味がある人であればこのようなアプローチの本は読んでおくと得ることが沢山あるのではないかと思います。



・暗殺者の復讐(マーク グリーニー)

CIAから追われるグレイマンはロシアマフィアのボスに復讐を果たすためにマフィアの館に潜入します。
ボスの暗殺に成功したグレイマンはその後にある男の助けもあってアメリカの組織の襲撃を逃れますが、そこから不可解なことに巻き込まれ罠にはまっていきます。

モサドも登場してきて組織間の思惑があったり、それぞれの組織に魅力的な人物がいたりと読者を楽しませてくれつつ、舞台を変えならがテンポよくストーリーが展開していきます。
途中で戦闘で盛り上がるシーンを何度か入れているので中だるみをせずに最後まで一気に読めます。
機器がハイテク化しておりグレイマンがドローンに監視されたり、店のノートパソコンのカメラに映った画像から見つかったりと、逃げる側の苦労が描かれるているのが面白いです。
アフガニスタンのような場所なら別ですが、先進国や発展途上国でも都会で逃亡するという話がこれからは成り立ちにくくなるのかもしれません。



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[ 2021/10/17 15:51 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)

勝てるところでだけ勝負してきた

ほとんどの人は多くを望まず平穏無事に人生を歩めたらいいと思っているのではないでしょうか。
人生をかけるに値するやりたいものがあったり、とことん上を目指したい人もいるかと思いますがおそらく少数派でしょう。

現代社会で平穏無事にそこそこの人生を送ることも決して簡単ではありません。
そもそも日本に生まれるだけでもかなりの幸運と言え、貧しい国の貧しい地域に生まれるとスタートラインにも立てないでしょう。
そんな中でうまく人生をやっていくためには勝てる勝負だけすることとそこでの最低限の努力を怠らないことだと思います。

人生での勝負と言っても色々あります。
大きな勝負どころは高校、大学受験、就職、転職の仕事の選択、株や不動産などの投資、結婚、子供などでしょうか。
どういう親元でどういう地域に育つなどは自分の努力ではどうにもならないので選択はできません。
与えられるカードは全員が異なるので、与えられたカードで勝負するしかありません。
例え与えられたカードが悪くても挽回できるのが日本のいいところです。
近頃は親ガチャなんて言葉もあるようですが、親が重要な要素ではあっても教育期間中に学校でさえ社会を知ることや基本的な学力が大切なことを学ぶ機会がなったのでもない限り自分の努力次第だと思います。
ひどく教育水準が低い地域で育った友人に言わせると普通のサラリーマン家庭で育った私には理解できない世界だとよく言われるのですが、義務教育がある日本で考えるとか学ぶという行為を一切知らないで育つということはなかなか想像しがたいです。

仕事の選択は人生を最も左右するものでしょう。
仕事の選択をするときは仕事の将来性、自分の適性、仕事をするために必要な努力やコストを正確に把握することが重要です。
将来性のある仕事でも自分の適性がなければ続かないし、競争にも勝てません。
また適性があってもそのための努力が自分にとってつらいレベルかもしれません。

私は大学生の時に大学に残り研究の道を進みたいと漠然と考えてそれなりに勉強もしていました。
しかしあっさり諦めたのは学問の世界で生き残るための努力は相当きついだろうし、簡単に職を得られるような業界でないのに優秀な人が多く参入してくると業界だと痛感していたからです。
もちろんどんな人生になっても学問は人生をかけるに値すると思っていれば学者の道を進んだと思いますが、そこまでは思っていませんでしたし、職業としての学者は学問だけをしていればいいわけではないことも理解していました。
この業界では自分に適性がなく、ポストが少ないのに優秀な人が多いので明らかに勝てる勝負ではなかったでしょう。
私よりもずっと優秀だった友人は大学に残りましたが彼でさえ結局非常勤講師のまま一生を終えそうです。
常に金がないと言いつつも意外と楽しそうに人生を送っていますが。

結局、キャリア公務員の勉強をしつつ民間の就職活動も並行して行いました。
キャリアは二流官庁ぐらいなら何とかなるかなと思いましたが、それでも優秀な人ばかりで大変だろうし、何より仕事のきつさと給料の安さに耐えられないだろうと思い試験は受けませんでした。
最終的にはとある企業に入社してIT部門を希望して配属されました。
そこから平々凡々なITの仕事してきました。

ITを選択した理由はまさしくここなら私は勝てると思えたからです。
35歳定年説、3Kなどと言われて仕事がきついと言われていましたが、業界の将来は明るく規模の拡大だけではなく新しいビジネスが次々生まれることも期待されていました。
その結果としてIT技術者は不足して競争がかなり緩く生き残りやすいだろうという目論見でした。
手に職がつく仕事なので転職も容易ですぐに居場所を変えたくなる私にはぴったりの仕事でもありました。
また、私自身アルゴリズム的な発想が得意でプログラミングなどのIT技術に向いており、プロジェクトの遂行という全体を見据えて仕事をしていくという能力にもある程度自信があったので自分の適性にぴったりの仕事だと考えていました。
若いときは地方自治体や金融のITの仕事をしていましたが、その後は自然科学系の分野に転向したのもこの分野が伸びるし、希少価値で収入を得やすいだろう考えてのことです。
この推測もぴたりとあたり自然科学系の知識とITの知識を持っていることはそれなりの希少価値となり収入もかなり上がりました。
ただし、研究者の研究内容やトレンドなどについて行くための知識を身につけるためにはかなり努力をしました。
また、今でも高い時給でバイトできるのはIT業界が人手不足で経験のある人が圧倒的不足しているからです。

私はIT業界なら競争が緩いし自分の能力の適性があると思い、実際その選択は正しいものでした。
けれどもITにはいまだに興味がありません。
ホストコンピューターから始まり、オープン系、クラウドと技術が変遷するたびに新しい知識を習得してきましたが、それほどは面白いと思えませんし新しい技術がトレンドになるたびに勉強するのは正直しんどくなってきます。
結局やりたいことではなく、人生を生き抜くための仕事を選択したことになります。

人生それでいいのかと問われると難しいところですが、私にはリスクのある人生を歩む決意をするほどのものがなかったということです。
大半の人はそうではないでしょうか。
人生をかけるに値するものがないのならあとはいかに効率よく生活の糧を得るかが重要で、そのためには勝てるところで勝負していくしかないのかなと思います。
もし私が学者の道を歩んでどこかの大学に無事就職できたとしても、IT業界を選択した今の人生のほうが楽しめたと思います。
優秀過ぎる人に囲まれて自信を持てないということもなく、人間関係に悩む前に転職ができて、給料もそれなりに高く、何度も会社を辞めて2か月ほどのバックパッカーを楽しめ、そして最終的にアーリーリタイアできたのですから。

勝てるところで勝負することが人生を生き抜くための必須条件だと思います。
しかし、当たり前のことですがそれには努力が必要です。
IT業界はピンキリで給料の安い下請けから大手IT企業のような元請けまでのヒエラルキーがあります。
元請けでも〇〇通なんかは安月給のイメージですし、管理の仕事ばかりでは面白くなくITの知識もつかないということも多々あります。
管理の仕事ばかりで他で通用しなくなった人はよく見かけます。
IT業界を生き抜くには業界を理解しつつ必要とされる人間にならないときついだけで給料の安い仕事を続けることになります。
チャンスは多く転がっていますが、正しい方向に努力してチャンスを掴めるかどうかで大きく環境が変わる業界でもあります。
そのため適性というは大事なのです。

仕事以外でもスポーツや大学受験でも勝てる勝負をして傷つかずに居心地のいい環境にいることばかり考えていました。
大阪から東京に来たのも東京のほうが居心地がよいと思ったからで実際にそうでした。
東京では仕事でのチャンスが多く、人間関係も心地良いものばかりで大げさに言えば東京に救われた感があります。

正しい場所で正しい努力を怠らなければ日本に生まれたなら人生はそこそこ上手くいくように思います。
そしてそういう基本的なことをできる人は多くはいないからこそ、勝てる場所があるのだと思います。
人と競争するばかりだけではなく、節約や投資といったものも同じです。
勝てる勝負で小さな勝ちでもいいから積み重ねて行くと必ず報われるのではないでしょうか。

たまにそんなしょぼい人生でいいのかと言われることもありました。
高校の時、勉強はできたほうなので現役で合格できる力があるのになぜ東大か京大を受けないのかと先生に何度も怒られました。
上を目指さないと大した人生を送れないぞと。
先生、その通りのしょぼい人生を送ってます!
大学で目をかけてくれた教授に大学に残って研究の道を進んだらどうだと言われました。
一度きりの人生を後悔するぞと。
大学時代に色々と活動していたのでいまだに精力的な友人がいるのですが、そんな落ち着いた人生でいいのかとも言われます。
けれども残念ながら私はたいして傷つかず大きな挫折もなく小さな勝ちを拾ってきた人生に満足しきってます。
それが私の人生に対する適性だったとしか言いようがありません。
そしてほとんどの人は人生に対する適性は私と同じようなものなのではないかと思うのです。

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[ 2021/09/26 12:25 ] 人生 | TB(-) | CM(8)
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