人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

FIREについて

去年はやたらとFIREに関する記事を見かけました。
テレビのニュースでも取り上げられるほどになり、FIREの認知度はかなり上がったのではないでしょうか。
2019年に記事の中でFIREという言葉を使いましたが、それからあれよあれよという間に広がったようです。

アーリーリタイアが珍しくなくなってきた

このFIREという言葉はどうにも私には慣れなくてやはりしっくりくるアーリーリタイアという言葉が良いのですが、ブームになった時にはこのような簡略した言葉は使いやすいのかもしれません。
おそらくクラウドのバイトライターが関連ブログを見たりあるいは想像で書いているのでしょうが、FIREした人、FIREの目指し方、FIRE失敗、FIRE卒業、アンチFIREなどの記事が量産されてビューを稼いでいます。
FIREなんて特に語るほどのことでもなく、仕事や組織がだるいと思う人が資金を貯めて早めにリタイアするだけのことです。
資金計画ぐらいは参考になるかもしれませんが、自分のFIREに対する適性など他人に聞くものではないし、FIREというライフスタイルは何らかの価値評価をするほどのものではありません。

FIREがブームになった理由の一つに実際にFIREを達成している人が増えているからではないかと思っています。
ブログを書く人が増えたことにより目に見える実例も溢れています。
実際にはどれだけの人がFIREしているかは分からないのでどこかが引きこもりの調査のように実態調査をしてほしいものです。

なぜFIRE達成者が増えたかと言えばリーマンショック後の底値からアベノミクスを経て日本でも世界でも株高が進んだからではないかと思います。
リーマンショック後の日経平均の安値は7000円ほど、ニューヨークダウも7000ドルほどです。現在は日経平均で26000円、ニューヨークダウで33000ドルです。
この時期にせっせと投資をした人たちがここ数年続々とFIREしているのではないかと推測しています。
私自身もリーマンショックの頃にリタイアを意識し始めて、資産運用に真剣に取り組み生活レベルを落としてせっせと投資に回したおかげでこの時期の株高の恩恵を存分に受けてFIREに至りました。

団塊ジュニアはこの恩恵を受けた人が多いのではないかと思います。
1975年生まれだとリーマンショック時には32歳です。
ちょうど役職につくころで給料が上がり投資に回せる余裕資金が増えるころです。
もし子供がいなくてそこそこ優秀であれば楽に資産を増やせたでしょう。
何を買っても上がるのですから。
団塊ジュニアは悲惨というネタはFIREネタ以上に記事が多いですが、私自身は意外と団塊ジュニアも運がいい世代だと思っています。
親は資産を持っている人が多いし、アベノミクスで資産を増やせたし、ブラックな労働環境を知っているぶん現在の労働環境の良さも分かりますし、中高年の働く場も増えていますし。
もちろん親の資産なんて運だし、資産を増やそうにもある程度の収入がないとダメだし、働こうにもある程度のスキルなどが必要なのでやるべき努力はしないといけないですが。

FIREブームではありますが、これからの20代の人がFIREを達成するハードルは低くはないと思います。
例えば40歳で5000万を貯めてFIRE達成することを目標にすると手取りで年3%の利回りだと新卒から18万弱を投資する必要があります。
もう少し余裕を持って8000万を目標とすると月に28万もの積み立てになります。
これは中々厳しいのではないでしょうか、大企業勤めであってもかなりの一流企業でないと月18万も若い時から投資に回せないでしょう。
近年リタイアした人であれば日経平均もダウも4倍ほどになっており配当分もあります。
このような上昇の仕方が今後起こるかと言えば確率的には低いでしょう。
せいぜい緩やかに上昇していくぐらいではないでしょうか。
世界経済は成熟化し、高齢化も進んでおり、さらにはグローバル化の停滞や脱炭素など経済成長にマイナスの要因は目白押しです。
これまでのように株が20年で数倍になれば利回りが一気に上昇するのでハードルは下がりますが、あまり期待はできないのではないかと思います。

ではFIREするにはどうすればいいのかと問われるとFIREなんて言葉は忘れたほうがいいと答えると思います。
自分は散々FIRE最高とか言ってたくせに何なんだとなるか言われるかもしれませんが、私や最近のFIRE達成組は運が良かっただけだと思います。
もちろん資産運用の才能を持っている人や高収入の人、かなりの節約生活をしてという人であればFIRE達成は可能だとは思いますが、そうでなければハードルの高い目標に振り回されるだけではないでしょうか。
達成可能だとしても20年以上かかる人が多いと思います。
そのようなものに若いころから生活が縛られても貴重な若い時間を無駄に潰しかねません。
もし現状に不満があるなら、現状を変える努力をしたほうがよっぽど有意義ですし、現実的だと思います。
幸いなことに今は転職が容易ですし労働環境もよくなっています。
ITであれば学歴はそれ程関係ないですし、ぶっちゃけ人手不足で仕事できない人が相当多くなっているので就職が容易だと思います。
もちろん資産形成はFIREに関係なく大切なことなのできちんと勉強と実践を行うべきです。
その上でFIREが現実的な目標となってきたら具体的にFIREの計画を立てればよいのではないでしょうか。

もし自分が現在20代であればどうするかというとこれまでと同じような人生を送ると思います。
転職しやすいITの仕事をして会社が嫌になるたびに辞めて、少しバックパッカーをしてまた仕事をするという生活をするでしょう。
仕事もそこそこハードにこなして稼ぐことを優先して、その分少しは贅沢に暮らします。
30歳を過ぎた頃から資産形成に取り組み始めてFIREを意識しますが、今ではITのバイト需要がかなりあることを知っているので資金不足でも40歳ぐらいでFIREして生活費をITバイトで稼ぐと思います。

誰もがFIREしやすい環境が整ってきたということは素晴らしいことです。
けれども大事なのはFIREそのものではなくて自分の人生を楽しくすることです。
FIREという言葉に縛られてFIREするまでの長い時間をそればかりに気を取られると若い時の時間がもったいないです。
若い人には生活をより良い方向に変えるための努力を忘れずにその上でFIREという選択が自分にとってよいことかどうかを判断してほしいものです。
また、FIRE失敗とか卒業という言葉を最近目にしますが、状況が変わったりあるいは単に気が変わってもいつでも方針を変更したらよいと思います。
低所得でFIREできないとか無謀なFIREでお金がないとなったら諦めて働けばいいだけのことです。
あるいは暇な生活に飽きたらまた働けばいいだけのことです。
好きなように生きて、状況が変わったらそれに対応するのが生きることであってただそれだけのことかと思います。
そして人それぞれできることとできないことがあって、できる範囲内でより良い生活になるように努力するだけのことです。

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[ 2023/01/21 23:48 ] アーリーリタイア | TB(-) | CM(0)

2022年12月のお奨め本

・〈現実〉とは何か (西郷 甲矢人, 田口 茂 )

現実はどのように捉えればよいのでしょうか。
物理学と数学の圏論、現象学から現実の解釈を試みます。

現実を人間が客観的に理解するのは不可能だと私は考えています。
現実世界を想定してもそこに属する人間であるという限界や個々の独立した存在である個人と人類全体を考えるとそもそも思考の対象外なのではと思います。
けれども認識の限界などの条件設定をしてそこから解釈するのは可能なのではないでしょうか。

本書では物理学や数学から現実の解釈を試みています。
現実を生成という観点からとらえていますが、そこには問いを立てることなしには答えはない、すでに選択してしまっているという非基準的選択、全体と個、置き換え可能性などなるほどとうならされる手法で捉えようとしています。
何らかの実体を想定する現実から離れることによって数学が現実論と大きく近づくのがとても新鮮でした。

現実については入不二基義さんの議論が好きですが、本書は少し異なった観点から現実論を追及していて非常に興味深く刺激的でした。
それほど難解でもない明晰な議論が続きそこまで難しくないと思うので、ぜひ手に取ってほしい本です。



・中世の窓から (阿部 謹也)

中世ドイツのニュルンベルクを中心にして主に中世の都市住民の暮らしと社会構造を解説しています。

ヨーロッパでは中世になると都市が形成され始めます。
農業の進歩による富の蓄積や貨幣経済の浸透など都市ができるようになるには条件が必要です。
中世の庶民や賎民の暮らしに注目することが人間関係や社会構造がどのように変化していたかを読み取る手掛かりになります。
ギルドの仕組み、賎民やユダヤ人、娼婦といった弱者の位置付け、大聖堂の建築、通信制度など興味深い論点が取り上げられていますが、これらが人間関係にどのような影響を与えたかの解説が面白いです。
古代から続く贈与のシステムに注目して貨幣経済という返礼がその場の金銭の受け渡しで終了してしまう仕組みになった影響を著者は注目しています。

30年以上前の本ですが、まだまだ面白く色あせない名著だと思います。



・深紅の碑文(上田 早夕里)

地球上の陸地の多くが海に沈み、陸上民と遺伝子改変によって人工的に作り出された海上民の2種類の人類が共存と闘争をする世界。
人類は新たなる破滅的な自然の脅威に直面していました。
陸上民は脅威に備えて少ない資源を確保しようとし、海上民はそのような陸上民に抵抗するラブカというグループを形成していました。
刻々と迫る脅威に備えて、争う一方で、遠い惑星で新たな人類を生み出すために宇宙船を飛ばす計画が進行していました。

スケールの大きなSF巨編です。
滅亡を前にした人類は何とか生き残る努力をする陸上民とその時が来たときは運命を甘受しようとする海上民、そして滅亡を前にするからこそ宇宙に憧れる人たち。
ここまで大きな物語を描きながら、様々な立場で生き抜く人たちを破たんなく描くのはものすごい力量だと思います。
このようなSFの設定だからこそ人間の物語が描けたのでしょう。

大作ですが著者の描く世界に引き込まれ一気に読んでしまいました。
SF好き以外にも読んで欲しい作品です。



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[ 2023/01/16 16:10 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(0)
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