人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2018年5月のお奨め本

2018年5月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。

・プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (深井 智朗)

ルターから始まるプロテスタンティズムの歴史を現在まで素描しています。

プロテスタンティズムと言えばルターを思い浮かべると思います。
あるいは経済に興味のある人であればウェーバーのプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を思い浮かべるかもしれません。
しかし、ルターの95か条の提題から500年の時が流れました。
当然のことながら、プロテスタンティズムは様々な歴史をたどってきました。
著者は政治と深く結びついた保守的な古プロテスタンティズムと政治とは切り離された自由を求める革新的な新プロテスタンティズムを区別して論じます。
この二つの大きな流れは現在までどのように歩んできたのか。
ルター以後、ピューリタンのアメリカ移住、ドイツの統一でのプロテスタンティズムの役割、現代のドイツとアメリカでのキリスト教の在り方、近代の自由主義、人権とプロテスタンティズムなどプロテスタンティズムの歴史を大まかに掴むことができる本です。




・ビジュアル 数学全史――人類誕生前から多次元宇宙まで(クリフォード・ピックオーバー )

数学の歴史を250のトピックにして1ページに1つを解説しているというユニークな本です。
完全に独立しているので辞書のようにも読めます。
ギリシアの数学者の定理からニュートンやフェルマーといった天才、そして現代のコンピュータやルービックキューブまで様々な数学上の発見やその社会的な影響を解説しています。

数学的な知識はなくてもある程度は理解できるようになっています。
深く理解するのは当然数学の知識が必要ですが、なんとなくは数学の歴史の流れがつかめると思います。

数学に興味がないと退屈際回りないかもしれませんが、興味があれば楽しく読める本です。



・深い疵 (ネレ・ノイハウス)

92歳のユダヤ人の老人が殺害されます。
そこには「16145」という謎の数字が残されていました。
ユダヤ人の老人が実はナチスの親衛隊員だということが分かり、その後、連続で老人が殺害されていきます。
次々と起こる事件とナチスはどのように関係しているのか。
刑事のオリバーとピア暗い歴史と複雑に絡んだ謎に挑みます。

オリバー&ピアシリーズの最初の邦訳で代表作の一つです。
このシリーズは重厚な刑事ものですが、今回はナチスが絡んでくるせいかより重厚な雰囲気になっています。
前半は次々とエピソードが語られて話が一向に見えてこない感じがしましたが、後半で一気にそれらのエピソードがつなぎ合わせられていきます。
ナチスが出てきますが、それほど小説に影響を与えるとは私は感じませんでした。
ナチス時代の犯罪に端を発したものですが、過去の犯罪がよみがえりそれを終結させるミステリのタイプです。
警察小説が好きな人にはお薦めです。




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[ 2018/06/10 12:53 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(2)

もう一回世間体

前回、世間体について書いてみましたが、世間って何だろうと思いはじめたのでもう少し書きます。

私は世間体を気にしないと書いたのですが、ちょっと違って世間というものが存在しないという感じです。
世間をリアリティがあるものとして感じていないからだと思います。
私自身は自分を勝ち組と思っていますが世間の中で他人と比較しているわけではなく、自分が今満足できているかという絶対的なものです。
比較する他人が存在しないからです。
あえて言えば大阪時代は人生がつまらなかったので、過去の自分と比較してということです。
そもそも価値観を含むような勝ち負けなんて自分自身にしか判断できないものですし。

人の前に世間とはどのように現れるのでしょうか。
世界と言ってもいいのですが、ここでは世間とします。
世界とは自然なども含めた広いものですが、世間は人が構成するものとします。

私は様々なものが立ち現われる場が存在し、そこで何かを受け取る仕組みみたいなものがあってそれが自我となると考えています。
その自我がありありと現れるものを感じ取って世界が形成されていきます。
(現象学のことを考える人がいるかもしれませんが、何ほどかを言えるほど私は現象学の知識はありません)

そのリアリティを持って私の前にあらわれるような人たちにも関わらず、不特定多数の匿名の存在で構成されるのが世間なのかなと思います。
家族や親しい友人ではリアリティが強すぎて世間を構成する人ではありません。
親が息子を世間体が悪いというときには息子と一体化した親が世間にたいしてです。
リアリティがないと世間を意識できないのですが、世間は同時にもっと距離があってあいまいな感じのものです。

他人が世間を代表するような言葉を投げかけたとき、それをリアリティを持って受け止めたときは世間を感じているのかもしれません。
その人が代表する世間はよく分からないものなのに、その言葉を発する人にはリアリティを感じています。
目の前で言葉を投げかけられているにも関わらず、そこに立ち現われる世間は非常にあいまいなです。
テレビやネットもリアリティを持って感じることができるにしても、家族や友人のような存在ではなく匿名の存在です。

ワイドショーで無職を馬鹿にする人がいたとき、その人自体は匿名ではないのにそこに視聴者は不特定多数の存在を見ています。
ネットはまさに匿名の発言で溢れていますが、テレビのようなリアリティを持った伝達者なしで直接不特定多数の世間を見ています。
テレビよりネットを好む人が多くなってるのは伝達者にリアリティがなくなりつつあるからかもしれません。

脱線しますが、地球の裏側のブラジルで無職を馬鹿にする発言がされて翻訳のテロップが表示されていたとしたらそこにリアリティを持って世間を感じるでしょうか。
大多数の日本人は世間を感じないのではないでしょうか。
伝達者が自分たちと同じカテゴリーに属していないように感じてリアリティを感じられないからです。
別世界の話と感じられるでしょう。
ではそれが日本人を馬鹿にした発言ならどうでしょうか。
その時には自分たちもその枠組みに入るとことができて急にリアリティを感じることができるのではないでしょうか。

世間を構成するには、不特定多数の存在をまとめ上げてそれをリアリティをもって媒介する仕組みが必要です。
それに適しているのはテレビやネットのようなメディアでないでしょうか。
あるいはそのような世間を感じることができる家族や友人を通してではないでしょうか。

この直接、間接の世間を映し出す存在を強く感じ取ることができる人が世間を強く感じ、そして世間体を意識するのではないでしょうか。
私のうちに世間が立ち現れないし、そのため世間体を意識することないのはこれらを伝達する存在を感じていないからだと思います。
テレビもネットもあまり見ないし、たまに目に入ったとしても意識することなく流れていくだけです。
それは地球の裏側のブラジル人のおしゃべりに感じるのと変わりません。
また私が普段接する友人にも世間について教えてくれるような人もいません。
ごくたまに世間を教えてくれるような人にも会いますが、世間ではなくその人個人の考えだろうというぐらいにしか思いません。
そのような声をきく頻度が高くならないと私の中で世間は立ち現われないと思います。
この繰り返しとは大切で、テレビやネットでは繰り返しがあるので世間を強く感じる人が増えるのかもしれません。
しかし繰り返しは強度を上げるかもしれませんが、当然のことながらそのような意見を持っている人が多いとはいえません。

結局私には世間が極めて希薄な存在なのだと思います。
私の世界を構成する人たちは10人程度の家族と親しい友人、そしてそれより遠い関係の1年に1度会う程度の30人程度の友人ぐらいです。
彼らでさえも私に強い影響を与えることはありません。
ましてやそれ以外の人の存在はないに等しく、宇宙人やロボットと同じぐらい希薄です。

自分以外の存在にどれほどリアリティを持てるかというのはパーソナリティの問題なのかもしれません。
シリアでの内戦に本気で心を痛める人がいれば、全く別世界のことで何も感じないという人もいます。
人類というカテゴリーではあまり感じなくても、日本人というカテゴリーではリアリティを感じることできる人がいるかもしれません。
外国の事件で全く興味なかったのに日本人がかかわってるとなると興味を持つ人はいるでしょう。
デカルトの研究者は家族よりデカルトにリアリティや親しみを感じるかもしれません。
バクテリアの研究者はバクテリアが世界のほとんどを占めているかもしれません。

人は自分が作り上げた世界で生きざるを得ず、世間体を気にする人は自分が作り上げた世界に違和感や生き難さを感じているのでしょう。
そうなら自分で世界をつくりかえればいいだけの話だと思うのですが、大人になってからは難しいものです。
しかし、居場所を変えることによってある程度世界は変わります。
転職したり、引っ越ししたりで確実に変わります。
日本で無職は世間体が悪いのならタイや台湾に行けば世間体を気にしなくなるでしょう。
世界を変えられないのなら仕事をするというのもありです。

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[ 2018/05/19 13:04 ] 雑感 | TB(-) | CM(11)
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