人生の暇つぶし

2016年にリタイアしました。アーリーリタイアや資産運用、旅、読書などのネタを徒然なるままに書き綴ります。

2018年7月のお奨め本

2018年7月に読んだ本の中でお奨めのものを紹介します。


・アダム・スミスとその時代(ニコラス フィリップソン)

アダム・スミスの評伝です。
とは言ってもスミスは文書類を残さなかった人でこの頃の思想家としては珍しく書簡も少ないそうです。
遺言でも草稿やメモなどの書類の類はすべて燃やすように指示しています。
本書ではスミスの思想がどのような時代背景や哲学者の交わりから生まれてきたのかを解説しています。
特にスミスが影響を受けたハチソンやヒュームの思想の関係は詳しく書かれています。
他にはフランス滞在時のケネーら重農主義者との交流なども「国富論」の考え方を形成するの重要だったようです。

スミスは至極真面目で実直な人だったようです。
大学の改革に尽力し学生との交わりを楽しむ人であってルソーのような破天荒なエピソードが皆無です。
天才にありがちな何かに没頭してしまって周りからは愚鈍に見えてしまうと言ったようなことはあったようですが。
また生涯母親を大切にして独身であり恋愛関係にあった女性の存在も知られていません。

日本ではスミスの代表作は「国富論」でしょうが、スミスはもちろん人間学を目指していたのであって彼自身は代表作を「道徳感情論」と考えてより完成度を高めるために改訂を重ねています。
晩年は芸術に関する本を書こうとしていましたがそれが実現しなかったのは本当に残念なことです。
現実の社会に根差した着実な哲学体系を目指したスミスとスミスと関わりのあった土地や人々の話はまるで18世紀のスコットランドの息吹を感じるようでした。
少々分厚いですが当時のスコットランドの思想に興味がある人にはお薦めです。



・光とは何か (江馬 一弘)

光の基本的な解説をした入門書です。
高校生から専門外の大学生向けのレベルです。

身近で見られる光の現象の仕組みを解説しながら光とはどういうものかを教えてくれるので楽しく読み進めることができます。
光の屈折から始まり虹や鏡、蜃気楼、光ディスク、光ケーブルなどが例として挙げられています。

複雑な物理的な現象については説明を割愛していますが、光がどうやって生まれるかなど物理的な説明も読者が躓かないレベルでの説明はあるのでミクロレベルでの理解も大まかにはできると思います。

光分野での研究の進展はわくわくするようなものばかりで、光を貯める光電池や光信号のままでスイッチする光ルータなどは特に面白そうで私が生きている間に実現しないかなあと思ってしまいます。




・ダスト (ヒュー・ハウイー)

WOOL、SHIFTに続く3部作の完結編です。
ネタバレになるのであまり書けませんが、WOOLで地下に伸びるサイロの世界と主人公のジュリエットの反乱が描かれ、SHIFTでサイロができることになった真相とその後の歴史、そして最後のDUSTでジュリエットの反乱の結末となります。
この三部作は独立していないので順番に読む必要があります。

サイロの世界の作りこみの面白さ、次が気になってしまい読む手が止まらないストーリー展開、テンポの良さなどどれをとっても良いです。
エンターテイメント系のSFでは必ず手に取ってほしい作品です。



にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

[ 2018/08/07 13:18 ] 今月のお奨め本 | TB(-) | CM(2)

個人情報駄々洩れ時代

Facebookのいいねボタンを押すとアカウント情報がFacebookに送られていることが以前に話題になっていました。
たまたま見ていたサイトに関連する広告がそのあとしつこく表示されるというのは誰もが経験したことがあると思います。

ネット上での個人の様々な行動は情報として集積され広告のマッチングなどに利用されています。
現在では誰もがスマホを持つ時代ですが、決済、メッセンジャー、カメラ、GPS、利用するアプリなどから得られる情報はもの凄いでしょう。

特にグーグルは恐ろしいほどの個人情報を集積しており、自分に関連する情報をグーグルのサイトからダウンロードするととてつもない量になると言います。

私が怖いと思うのはグーグルマップのロケーション履歴です。
私はOFFにしていますが、アップデートのせいなのか何度か知らない間にONになっていた経験があります。
この機能に普通の人は恐ろしさを感じないのでしょうか。
その人の日常生活での行先をグーグルにすべて把握されてしまいます。
地図情報を合わせると勤務先、営業先、飲み屋、ホテル、退社時間、帰省先、病院などほとんどその人の行動が筒抜けになります。
奥さんがこっそり夫のスマホのグーグルマップのロケーション履歴をONにしておけば行動はすべてばれてしまいます。
これらは離婚時に何らかの証拠として認められるのでしょうか?
近い将来は緯度、経度だけでなく高さも把握できるそうですが、訪れた家や店もほぼ正確に把握できる時も間近でしょう。

またgmailの内容はメールの拡張ソフトを開発している業者などが見ることができるという記事も何度か見たことがあります。
あくまで開発のためであり厳しい規約を守ったうえでという建前がありますが、目的外利用なんて簡単におきそうですし、そもそも開発のためと言えど他人のメールを読むことが許されていいのか疑問です。

まちにはあらゆる場所に監視カメラもありますし、そもそも現代社会ではプライバシーが成り立たないのかもしれません。
中国人が個人情報に無頓着なのはそもそもすでに個人情報なんて政府に筒抜けと分かっているからと聞いたことがあります。
中国では監視社会が急速に進んでいようです。
ウイグル地区の監視カメラ網やウィーチャットの監視などはまさしく昔イメージされた監視社会でしょう。
科学技術の進歩で監視国家が可能となり、それを堂々と行う政府は今後も増えていくでしょう。
強権国家が増えつつある時代なので余計に怖いです。

私自身は今のところ個人情報が把握されることをそれほど気にしていません。
(さすがにグーグルマップにロケーション履歴を把握されるのは嫌ですが)
利便性を引き換えにしていると割り切っています。
しかし気にしている人は結構いると思います。
通販は必ず代引きにしている人は相当数いるでしょう。
それでも通販を代引きにしたりクレジットカードやポイントカードを持たない人もスマホやネットをするでしょうし、そもそも代引きでも買い物をした店には情報が渡るので大した効果がないように思いますが。

AIが進化すると収集した情報から意味のある情報を抜き出す技術は飛躍的に進歩しそうです。
遺伝子情報のような個人情報の深化もアマゾンエコーのような個人情報取得の手段の多様化も進んでいます。
相手がよく分からないという前提で商売や交友がなされる時代から、相手のことを深く分析されていることが前提の商売や交友がなされる時代に変わりつつあるのかもしれません。
消費以外にも結婚相手や取引相手、採用などマッチングが必要なあらゆる場面で利用可能でしょう。
あるいは敵対する相手を追い込むためにも。
技術的にはすでに可能でしょうが、それを利用できるのは政府やグーグル、アマゾン、Facebookなどの情報を集める力があるところだけなのでしょう。
やはり今後の社会は情報を集めたものが強者となりそうです。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

[ 2018/07/24 17:20 ] 雑感 | TB(-) | CM(4)
ブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

相互リンクとコメントを頂いた方